
とても興味深い本でした。50歳のときレビー小体型認知症と診断された本人が「自分の脳がどのように世の中を見聞きしているか」を、具体的に記しています。レビーは「幻視」が特徴的といわれ、私も介護現場の方々に具体的な事例をたくさん伺いました。発見されるまではアルツハイマー型といて扱われていたのですが、まったく異なるともいえるでしょうか。個人差はあるとはいえ、ご本人が執筆しておら知的レベルは相当高いまま保たれていると思われます。私とほぼ同年代、40歳位から異変に気付いてひとりで苦しまれたようです。初めて知ったのですが、レビー小体型認知症の初期症状で嗅覚がなくなるそうです。他にも考えさせられる内容が多く、介護や認知症に携わる方は一読をおすすめです。「脳の誤作動」という意味がよくわかります。「精神の病気ではなく、脳の病気なのだ」ということに合点がいきます。