老年的超越

先週の日経新聞からのウケウリです。「やさしい経済学」コラムは慶應義塾大学の前野先生がご担当中。テーマは「幸せ中心社会への転換」で、最初の頃「ハピネス」と「ウェルビーイング」の違いを簡単に解説されていて、なるほど!と思ったものでした(うろ覚え・笑)。確かに、社会福祉学や高齢者の居住に関する海外論文でもHappyやHappinessは見たことなく、Wellbeingです。6日のコラムでは「健康や長寿と幸せの関係について」で、「老年的超越」という概念に触れられていました。『90歳を超える高齢者は、自己中心性が低下し、死の恐怖が減り、空間・時間を超越する傾向』が見られるとのこと。これを認知症という人もいるかもしれませんが(^_^;)。『40歳を超えると幸福度は上がり続け、90~100歳で老年的超越を迎える、皆でそれを目指し支える社会をつくることができれば…』と結ばれていますが、本当にその通り。前野先生のコラムは癒されるシリーズでした(*’ω’*)。

1年ぶりの福岡

昨日は福岡でセミナーでした。市主催で毎年多くの方がご参加くださいますが、今年はコロナの影響もありどうかなと思っていたら募集開始後早くに満席、少し定員を増やすなど大盛況を頂いて嬉しい限りです(*’▽’)。もちろん隣前後に人が重ならないよう配慮され、180人席を約100人でゆとりをもった会場でした。休憩時間には多くの方に個別質問をいただき、いつものことですが、それぞれが抱え持つ課題や悩みは尽きません。ほんのひとときの会話だけながら、何らかの参考になれば幸いです。一昨日は懇意にしていただいている福岡の社会福祉士の方とお会いして、コロナ禍の状況をお伺いしました。詳細は記せませんが(^_^;)、ホントに各地でコロナ禍による高齢者の生活の問題をつくづく感じます。ただでさえ悩ましい高齢期の設計、今後もこのような想定外が起こるかもしれない、それも含みつつ「転ばぬ先の杖」必要ですね。

WEB見学セミナーの動画

10月20日に神奈川県住宅供給公社さん主催のWEBセミナーがありましたが、その中で紹介した見学VTRをリンクします。事前に自立型有料老人ホームで「見学の様子」を収録したものを、生配信のWEBセミナーで解説しつつ紹介したのですが、公社さんがNet上で公開されたので、ご関心のある方はご覧ください。ホントはもう少し長い収録だったんですが、私のくだらない関西人のツッコミは編集カットされました(笑)。見学に影響のない部分ですので、お気になさらずに。公社さん運営の横浜市内で30年目を迎えた施設、「自立型有料老人ホームはこんな様子なのだ」という大枠がわかると思います。それでも実際に現場に行くのとはかなり感じ方が違うので、コロナがまだ収まらない中ですが、施設内は相当な感染対策をとられているので、住み替え検討の方はぜひ現地に赴いていただければと思います。ご参考までに(^o^)丿 こちら

音と危険性

最近はハイブリッドカーが増え、仕事上も乗せて頂くことが増えましたが、特に発進時の静かさ、スムースさは乗っている人間はいいのですが、外にいる人にはとても危ないのじゃないかと感じます。個人的にも何度かヒヤっとしたことがあり、運転する人も「歩行者に対して怖いと思ったことがある」と言われていたので、何らかの対策が将来必要かもしれませんね。特に高齢者は耳が聞こえにくいので、若い人でも存在に気付きにくい静かな車は、高齢者にはさらに危険。静かな車なんだけど、あえてエンジン音をつけるとか(苦笑)。私自身は、実家に帰った時に母のオールドカー(笑)を運転するので、ドドドーとエンジン音です。全然エコじゃないのが問題ですが(;’∀’)。衝突防止機能のついた車も増えているようですが、自動にすると何かバグが発生した時、怖いですね。文明の利器はいいのやら、よくないのやら…

 

付き添いという介護

急激に最近寒くなりました。なんだか秋がすごく短かったような。そしてコロナの動向も心配です。来年は介護報酬改定の年なのでそろそろ大詰めですね。今回は今迄のようなダイナミックな改正は見当たらないものの、マイナーチェンジは多くあります。改悪が多い中で、プチ改善も(;’∀’)。介護ヘルパーさんの通院付添は細かいルールもあり、決して使い勝手がいいわけではありませんが、自宅起点でなくてもよくするようです。たとえば病院のハシゴ(苦笑)や、デイサービス等他のところからの付き添いもOKにするとか。ただし病院内が含まれないのまそのまま。でも病院で心身の衰えた高齢者が1人で話を聞き移動するのは難しいですよね。福祉職の人が付き添っている姿もよく見ます。ルール化はもちろん重要なのですが、あまりにも意味不明な線引きも多く、臨機応変な利用を願いたいところですね。

11/25 横浜で会場セミナー

本日はPRです(*’ω’*)。11月25日に久しぶりに横浜で会場セミナーがあります。いつもは大きな会場の新都市ホールで300人規模で実施されていましたが、コロナ感染防止を考慮され、会場を小規模化し間隔を開けて少人数での実施ということです。かなり少人数なので抽選必須ですが、WEBよりやはり会場だ!と思われる方はぜひご応募ください。内容は「高齢者の住み替え基礎知識」が中心です。初心者向けです。

昭和団地の美

高齢化率が著しい場所を「限界集落」と言われますが、昨今いろんな「限界〇〇」が名称化しています。いずれも「年数を重ねて耐久年数超過気味」を指す。高齢化率の高い集合地としては、都市部の団地。ほぼ50%前後といわれています。その団地のお仕事に今年関わっているのですが、確かに「昭和」な団地ながら美しさも最近感じるようになりました。「団地マニア」もいるそうで、全国津々浦々の団地を訪れるそうです。5階建てEVなしというバリアだらけの昭和団地ですが、効率的な間取ですし、よくよく団地を見てみると、昨今のマンションなんかよりずっとゆとりがあります。建物と建物の間には通風や採光がたっぷりと考慮されており、圧迫感がありません。いま、このような建物を都市部で建つことはまず無理でしょう。それでも、EVなしの住宅に住む高齢者の苦労はかなりのもの。ハード・ソフト両面で変わらない生活と建物を支える工夫ができたらいいなぁと規則的な団地群を見て思ってしまいます。

経済回復とリスク

9月以降は外での仕事も増え、公共交通機関を利用することが増えています。新幹線はまだ空席が多いかなと感じるのですが、先日飛行機に乗る機会があり「満席(Wブッキング)のため〇名を次便への振り替え」を募集するアナウンス。待合の椅子は間を開けるようにしているのに、あの狭い機内がホントにギュウギュウ満席でびっくりしました(*_*)!Go Toのせいかな(;’∀’)?国内線はせいぜい1~2時間ながら、少々恐怖を感じました。ホテルもビュッフェだった朝食がお弁当になっています。利用する側も不安ですが、提供側(乗務員やホテルスタッフ)は、不特定多数と接する仕事なのでもっと怖いだろうなとつくづく感じるこの頃です。一方で旅行ツアーで自己申告の見逃しのためツアー内クラスター発生なども報道されました。人に接する仕事は少しの油断がこの時期命取りです。緊張感が続く今の状況ですね。

 

29泊ルールの隙

在宅介護サービスのひとつ「ショートステイ」は、最長29泊30日というルールですが、実際にはもっと長く利用する人もいます。29日までは介護保険で利用し、その翌日1日は「全額自費」、そしてまたその次の日から連続利用…を繰り返す。なんとも制度の隙をつくという感じでしょうか。これが要介護の人のみ対象で、要支援には適用がなかった、連続で使えるということを今さら初めて知りました(^_^;)。今回の改正案で要支援も同様に29泊ルール適用という方針ですが、そもそもズレている議論ではないかと感じます。それだけ長期利用が必要な人がいるということは、ショートステイが必要なのではなく、住居としての施設(特養等)が必要ということですよね。介護施設に限らず、私の研究対象の自立型高齢者の居住についてもそうですが、日本の「施設に補助」ではなく「本人に補助」をすれば、公的施設でも民間施設でも使えるようになります。でも。根強い日本の旧態依然とした国策の影ですね(-_-)…。

住宅政策の根っこ

「マイホームの彼方に」(2020)平山洋介、筑摩書房

神戸大学の平山先生が今年出された本で、非常に興味深いものでした。学術書なので一般の方にはおもしろくないと思いますが(^_^;)、「住宅政策」に的を絞り緻密な記録を辿り分析しています。大学院時代の論文で住宅史は一通り調べたつもりでしたが、知らないことも多々あり、なるほど、こうやって日本は他先進国にはない独自の(そしてまやかしの)住宅政策が繰り返されきたのだ、と。それにしてもこの画像の部分ですが、今こんなこと官僚が言うと大問題になる、ビックリでした。この前段階の話もかなり衝撃なのですが、戦後、厚労省の福祉的住宅の考えと建設省の市場(経営的)住宅の考えはある意味縄張り争い的な部分があったのですが、「建設省が考える公営住宅は最低辺の階層は相手にしない」「貧乏人は切り捨てる」「お荷物になるひとだけを優遇していたら、日本国家の再建はできない」と述べています(途中端折ってます)。この流れって結局今に至るまで変わっていない。だから「サ高住」推進なんですね。わかってはいたけど、欧州の住宅人権の考え方と日本の自己努力主義の隔たりにあらためてため息です。