エイジフレンド

厚労省「エイジフレンド補助金制度」のパンフより

国(厚労省)の制度「エイジフレンドリー補助金」が改正され令和3年度の募集が始まります。国は高齢者にも「働け働け!」(;´∀`)と雇用延長を推進しておりますが、一方で加齢にともなう事故も増えている事実。そこで、安全に働けるよう企業に職場環境を整えろということです。補助金の対象は中小企業なので、大企業は自前で整えなさいということでしょう。たとえば介護現場ならリフトなどの導入、階段に手すりをつけたり段差を解消、快適な休憩場所の確保、作業場所の照度の確保、などなど。バリアフリー化をさらに進めるということですが、介護事業所にとっては入居者に対し既に取り組んでいることも多い。補助金は補助率1/2、上限100万円とのことなので、未整備の部分は助かる補助金といえます。

東京の人口流出入

住替えについての原稿執筆に際し、コロナの影響でどれぐらい住まいの移動をしているか気になり、調べてみました。象徴的なのが東京なので過去2年程を比較してみたのがこの表です(東京都と23区に分けています)。グラフも作ってみましたが表のほうがわかりやすいかも。季節要因やその年の個別事情があるにしても、昨年の夏以降の流出が明確ですね。毎年4-5月は流入超過が大きいですが、今年はどう出るでしょうか。2月も過去2年は流入なのに、今年の2月の流出はかなり大きいです。直接コロナの影響なのか、コロナ禍で進んだ間接要因のリモートワークゆえなのか、興味深い現象です。とはいえ、おそらく移動は若い世代が中心のように感じます。高齢期に住み慣れた、利便性の良い住まいからはなかなか移動しづらい。それでも将来不安を考えて思い切る高齢世代も決して少なくはない、と思います。

令和3年度以降のサ高住

国交省HPの資料より

4月から新年度となり、介護保険改正を含めいろんな制度が変わります。サービス付き高齢者向け住宅の整備事業も5年延長されることになりました。当初の年間350億円ほどの補助金はかなり減額され、補助金も微調整されています。新築25㎡未満の限度額が90万円から70万円に減額。ただ元々25㎡以上が規準だったのに浴室・台所共有の場合18㎡以上という特例が出されたため、多くが本来の目的ではない「介護型」になってしまった。なら補助金がなくてもいいのでは、と個人的には思ってしまいます。厚労省と国交省の介護施設の役割がいまいち一般からはわかりづらい。国民が利用する制度は誰でもシンプルにわかるようにしてほしいもんです。いずれにせよ、お金のある人でないと利用できないのであれば、税金投入もどうかなと感じますけどね┐(´д`)┌。

 

SNSと高齢者

情報通信白書より

某研究機関会報誌の論文をご依頼いただき現在執筆中なのですが、その中で「高齢者の情報難民」の話を少し入れています。国はますますIT化を推進すべく進めており、「誰一人として取り残さない」と喧伝しておりますが、果たして実現できるだろうか。図は通信白書から拝借したデータですが、残念ながら70代以上の項目がないながら、60代でもソーシャルメディアの利用は少ないです。昨今中国から閲覧できるというLINE問題から自治体等でも情報発信中止のところが出ていますが、それ以前に公的な情報をSNS中心にしてしまうと、災害時など緊急かつ重要な情報が行き届かないことも出てきます。「誰一人として取り残さない」具体的な計画を聞いてみたいもの。そういう私もLINEもFacebookもTwitterも何もしていません(笑)。

 

高齢者向けデジタル講座

昨日の朝刊に気になる記事、高齢者向デジタル講座。「高齢者らにスマートフォンやマイナンバーカードの使い方を教えるデジタル活用支援員の5ヶ年計画」。短い記事なので判断が難しいのですが、支援員による講座は携帯電話販売店などで実施し、当初2021年だけの予定がそれではイカンということで複数年の開催をし「対策を手厚くし格差解消を目指す」そうです。いやいや、携帯電話販売店ってそれ商売とセットですかと言いたいし、記事にもありますがそもそも携帯販売店がない自治体が817ヶ所もあるとのこと。支援員って誰?販売店員?客観的第三者?このあたり、以前デンマークで聞いた「行政文書を完全電子化するにあたり、行政が責任をもってその前に誰もが使えるように実施する」のと全然違うような気がします。これってまた携帯会社にお金が流れる仕組みなんでしょうか。丸投げで「誰一人取り残さないデジタル化」はできるのか。この詳細続報を待ってみたいと思います。

後見人に誰がなっているのか

最近後見制度の話が多いのですが(^_^;)、裁判所から「成年後見関係事件の概況」(2020年)が出ましたので、制度開始時の2000年からちょうど20年のデータを拾ってグラフ化してみました。「誰が後見人になったか」の割合です。20年間で若干項目が変更になっている部分もあるので、全部通して一致しない部分は全部「その他」にしています。これを見て頂くと、制度開始時に子や親族が多くを占めていた後見人が職業後見人にとってかわっているのが一目瞭然です。以前も記したように、子の(意識の有無は別にして)横領や管理不足を防止するため、専門家にシフトしていったのですが、今後は逆にそのせいでトラブルが増加。2019年に裁判所は「できるだけ親族が後見人になるよう」と見解を出しましたが、残念ながら2000年のデータではまったく反映されないどころか、逆に親族割合が減っています。私自身「任意後見制度」の活用を勧めてきたのですが、それは保険として、後見制度を使うかどうかは入念な検討が必要です。
*2006年「親」の申立て・後見人が激増の要因は、「障害者自立支援法」が施行されたことの関係かと思います。

 

介護の生産性とは

社会保障審議会で「介護の生産性向上」が言われ続けていますが、3月上旬に開催された「介護分野における生産性向上推進フォーラム」の基調講演で、埼玉県立大学理事長の田中先生が『かつての自動車のような単一製品・大量生産の産業とは意味がまったく違う』、『それをふまえておかないと、とんでもない目標違いになる。少ない人数でたくさんこなせば良いという話では決してない』と話されたそうです。この部分、とてもとても大切ですね。厚労省の過去の資料を見ていても、ついつい「モデル」を作り推奨しがち。介護や医療はパターン化できるものではない(個別性が高い)のです。一方で、事務処理的な部分は大いに改善余地はありと思います。重複や形骸化した事務作業が多いのでは。「お役所的」である必要な部分と、そうでない部分は常に見直していかないといけませんね。

 

ハートのあるビル

国交省パンフレットより

先週、国交省は「高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準」を改正と発表しました。「バリアフリー」という言葉も一般化しましたが、「バリアフリー法」という法律がちゃんとあります。20年前、福祉住環境コーディネーターの勉強をしたときに「ハートビル法」というのも知りました。公共施設や輸送機関でも障害者対応がしっかりなされていると感じることも多くなりました。狭い日本でスペースをとるのは難しいこともありますが、「特別」でなく「普通」になってきたことは喜ばしいです。普段の町の風景を意識して見てみると、各所にバリアフリーが発見できます。北欧に行くとつくづく徹底されていることがわかります。日本もだんだんと近づいてきました。忘れてはならないのが「心のバリアフリー」。この点ではまだ日本はとても遅れていると感じます。

身近な入浴事故

1ヶ月程前に叔父が急逝しました。親戚の中でも昔から交流が深くいつも気軽に遊びに行っていました。3年前に叔母(母妹)が72歳で前日まで普通に元気だったのに急逝(大動脈解離)。以来叔父がみるみる元気がなくなり心配していましたが、息子(私の従兄弟)夫婦、孫2人と同居ですし、また近々伺おうと思っていたところでした。原因は浴室内事故、ヒートショックです。なぜかその日に限り深夜に入浴をしたそうで、早朝に従兄弟が発見、どれだけショックだったかと思うと胸が痛いです。私の友人のお父上もやはり75歳位のときに、犬の散歩から帰り、夕食前の入浴で同様でした。お風呂が長すぎると思った友人が発見しました。セミナーでも「家庭内事故は自立のほうが危険」という話をしていますが、私のごく身近な周りでも起こっています。冬場に多い浴室事故、少し温かくなってきましたが決して侮れません。高齢者ご自身、そのご家族は注意を促し、気温の高い時間帯の入浴を勧めてあげてください。

IT化が進むシニア世代


シニア世代の「オンライン」活動が増えているなぁ~と実感する最近です。高齢者の中でもさらに高齢層が中心の信託銀行さんでオンラインセミナーを行ったのですが、当初の想定を大きく超える数百人の参加があったそうです。また講座教室を運営する企業からは、コロナ禍以降「タブレットやスマホの使い方セミナー」をするとすぐに満席になり、毎月開催しているとの話もお聞きしました。興味があるからといっただけでなく、この間一気に進んだ「オンライン」でないとできないことが増えたため、ある意味致し方なく「使えるようになった」のかもしれませんね。行政システムとしても今後さらにオンライン化を進めていく方針ですので、ますます必要となりますが、それでも使えない人もいることを前提に、きちんと受け皿を設定し、誰もがアクセスできる形(リアル含め)を作ってほしいと思います。