特養待期と高齢者虐待

年末にかけ厚労省の重要なデータがいろいろ発表されています。そのうち2つ。まず特養待機者が2年ぶりに計算されました、要介護3~5のみで29.2万人。在宅以外が17.6万人ですから、在宅介護が無理で一時的に高額な有料老人ホームやサ高住に入居しているのでしょうか。施設では要介護度の高い人ばかりの入居のため、その苦労もあり回転率(表現が嫌ですが)が上がり現場は結構大変と聞いています。もうひとつは、高齢者虐待最新データ。過去最多件数とのこと。うち認知症が85%ということですから、日本全国どの世代も「弱い者いじめ」な社会とウンザリします。施設虐待では特養が最も多く、施設虐待より家庭での虐待が2ケタ違うことにも「恐怖」を感じます。国のあげる理想とどんどん乖離していく介護の現場。この先どうなるでしょうか。今年最後となります。来年もどうぞ宜しくお願いいたします(*’ω’*)。

インクルージョンな町

今年最後のお仕事が昨日金沢でありました。せっかくなので有名な複合的住まいエリア「シェア金沢」に行ってきました。1万1千坪の敷地に、サ高住、学生住宅、子どもの障害者施設、デイサービスやカフェ、日帰り温泉、各種ショップなどを、統一感のある街並みで開放的につくっています。言葉や写真で表現が難しいのですが、まるでデンマークの田舎に行ったイメージ。タウンハウスや戸建て、2階建ての小さなアパート、統一感のある住宅に小さい小道や林を随所に再現し、「自然」なんですね。平日の昼前ゆえか、閑散としていましたが、余分なサービスがあるわけでなく、もし年代問わず一緒に活動したり、助け合いが実現されているなら、すてきなコミュニティタウンだなと感じます。しかし、街中までバスが30分に1本(金沢駅からバスで30分)が若干不便でしょうか。でも、ちょっと暮らしてみたい環境でした(*’ω’*)。

高齢者の食事で健康体型

先日の自立型有料老人ホーム見学セミナーで、昼食試食の際に職員の方から「おおっ!」という話をお聞きしました(*’▽’)。ホームでは従業員も入居者と同じ食事をとるそうですが(場所は従業員用の食堂)、就職後1年でなんと体重が10㎏も減ったそうです。学生時代が超過だったらしく(;’∀’)、今は普通のすっきり体型です。1年間、運動したり他にダイエットしたわけではなく、精神的な問題もなく(笑)、ホームの食事が原因としか考えられないとのこと。不思議なことに同じ生活を続けているのに、その後は体重の増減がなくいたって健康維持。普段セミナーでは「ホームの食事をきちんと食べていると健康になり、長生きしてしまう・笑」とお話してますが、実証ですね(*’ω’*)。栄養士による高齢者に適した栄養や塩分・カロリーコントロールのご飯ゆえ。私も毎日ご飯だけでもホームで食べたいです(*´∀`*)。

緊急通報ボタンを使うとき

住み替えセミナーの最後に時々使っている「トイレ3択クイズ」は、多くの人が「間違う」(;’∀’)のと答の納得感とわかりやすさで皆さん印象に残るようです。先週の見学セミナーの最後に、現場スタッフの方々も交えて質疑応答をしたのですが、ケア部門の責任者・看護師さんの方に、自立型居室で緊急通報を押されるときはどのようなケースが多いですか?とお聞きしてみました。いろんなケースがあるもの、転倒が比較的多く、立ち上がることもできず、身体を引きずってトイレの緊急通報ボタンを押すケースがみられるようです。ということで、やはりトイレの緊急通報位置は下のほうが現実に即しているのですね。参加者から「ほぅ~」と思わず納得の声が漏れました(*’ω’*)。居室見学も「緊急通報の位置」を意識してくださる方が多いです。一方で、ホーム視察に行くとまだまだ「壁の上部」も多く見られます。その施設では問題ないのかな(・・?

人口だけでは語れない

先週静岡で仕事があり、駿府城公園に行ってみました。今年の初めに徳川家康の小説を読んだところでしたので感慨深いものでした。静岡県は、自立型有料老人ホーム初代発祥の地でもあるといえますが、静岡市より浜松市の方が人口が多いのですね。ちょっと意外でした。県内地域分析してみると、やはり地域差が大きく感じられます。意外と大都市の静岡市や浜松市より富士市のほうが施設充実度が高かったりしました。とはいえ一概に人口対比では比較できず、昨今の自治体合併などにより、人口過密度の差も大きく、人口は少ないけど居住地エリアが拡大し過ぎているケースが多く見られます。これはこれで課題も大きい。在宅でも住み替えでも、都市部より一筋縄にはいきません。「老後のために何から始めていいやらわからなかった」と言われるシニア世代もいらっしゃいました。施設・設備だけでなく高齢期設計のリテラシー向上の機会創出も重要と実感します。

高齢者の住まいのあり方方針

12/16社保審介護保険部会の資料の続きで「高齢者の住まい」に関する部分(資料3:P12)を抜粋してみました。「…重要である」が並んでいますが(笑)、そりゃそうであって、具体的にどうするのか?簡単ではないことばかりです。特に「利用者の適正な事業者の選択につなげるため」は、喫緊の課題とも思えますが、「外部の目を入れる=人材」が確保できるとも思えない。鳴り物入りで開始した介護サービス情報の公表も調査員が現地に行く形ではなくなり(自己申告)、外部の目とは言えないですね。「自宅と介護施設の中間的な住まい方」とは具体的にどのような案なのか、関心があります。これが単にサ高住を増やすというだけならかなりガックリきますけど。「生活困窮者施策と連携」も違うのではないか…、もうツッコミどころが多すぎて(;´∀`)…

断らない窓口?

16日の社保審介護保険部会資料1-1からです。「断らない相談支援」が最近よく聞かれます。介護、障害、子ども、困窮に関する相談支援を一体として実施しどんな人でも受け止めるのだそうです。そして自分から言えない人のためにアウトリーチ(外部から見つけ出して接触)もするそう。窓口を地域包括に想定しているのでしょうが、対応可能と思えない(;’∀’)。それだけ人員配置や予算を投下できるのでしょうか。そもそも、これだけ網羅して専門知識や経験のある人が、そうそういるのだろうか、揃えられるのだろうか。資料1-2では、具体的スキームが書かれていますが、理想・目標はわかるけど、「機関が担う機能や配置等は市町村において検討」なのだそう。対応できる地域どれぐらいあるでしょう。なかなか、毎回資料見るたびにネガティブ意見してしまいます(゜-゜)

老後の悲観

サ高住に入居中の母親(88歳)が娘(70歳)と無理心中という報道がありました。某報道機関から発覚時に連絡いただき「サ高住側の問題はないか」という意見を聞かれたのですが、詳細不明の時点であり、漠然とした状況からサ高住側の問題とは言い切れず、むしろご本人(母)の将来への悲観(娘さんの重度介護)、経済的負担もあるのではないかと申し上げました。その後の報道では結果的にそのようでした。この親子が今までどんな生活を送り、どんな経緯でサ高住に入居し、経済状態がどうったかわかりませんが、「経済的問題」が中心としたら。たとえば逆老老介護状態で、ケアマネ等がサ高住入居を勧めたとして、当初は預金切り崩しなどで入居できたとしても、いずれ続かなくなります。我が国の制度では、自身の財産が枯渇しても助けてくれません。住宅補助制度があればとこういう時に実感します。ケアマネはどこまで把握していたのでしょう。単に介護状態だけでなくその人の生活全般(経済背景含め)を総括的に見守る姿勢がいかに重要かを感じさせる、多重問題を抱えたケースではないかと思います。

介護保険改正案(12/16版)

昨日社保審介護保険部会が開催され次期案が絞られてきました。特養等介護保険施設の補足給付を、年金収入120万円超を対象に月額2,2万円の自己負担を求める方針。さらに「預貯金1千万円」ボーダーを1/2の500万円に!少し前は600万円案でしたが。年金120万円超というのは雑所得の年金控除を超える人ということで厳しすぎです。特養入居を入り口で大幅削減するのか。特養はお金持ち用になってきたのか。Netの一般コメントもさすがに否定的な意見が多いです。誰も好んで要介護になっているわけではない。もはや我が国では介護になることが恐怖以外の何物でもない、という感じですね。ちなみに要介護1・2の地域移行、原則2割負担、は次期へ見送りとか。あと、高所得世帯の高額介護サービス費の上限が非常に高額に引き上げられます。まだまだ年末まで何が出るやら…。やれやれ…

介護事業の利益

経済面での報道を見ていると、介護関係の企業の利益の多さに違和感を感じることがあります。介護保険事業(自費サービスではなく)で利益を上げて株主に配当するなど、一般国民の介護保険料の負担増、介護の利用制限、介護職員の低報酬に矛盾しないでしょうか。有料老人ホームやサ高住など居住系の高齢者サービスは、自費と介護保険があるにしても、「公的介護保険」と名乗っている部分で、民間サービスに位置づけて利益を上げて分配ということに、どうしても違和感を感じます。その分、介護の充実化・職員の生活保障につなげるべきではないか。経済対策に事業規模26兆円(国・地方の財政支出は13.2兆円)を投下するようですが、ほぼ同時期に18年度の介護費が「10兆円を超えた、大変だ、削減しないと!」という方向性が報道されています。一般国民が「世の中良くなった」と感じられる政策を考えてほしいですね。