自立高齢者の見守り

 

先月末、有料老人ホームで入居者の死後二週間の孤独死が報道されました。先日、訪れたホーム(自立型有老)の支配人が自施設での現況を教えてくれました。生活リズムセンサー(居室在中に12時間トイレ下を通過しない場合にアラーム)、フロント前のメールボックス、ダイニングの利用などから、複数の目があるので異常はかなり早く発見されるそうです。年間に十数件。「死亡」状況は2~3年に1回ほどとか。それよりも、転倒で起き上がれない、脳梗塞で倒れていたなど、早く発見できるのですぐ対応できることが多い。特に「食事をきちんととっている」人に関しては、ダイニングのスタッフが「今回来ていない」とすぐにフロントに連絡、このケースが多いそうです。各スタッフが注意していること、各部門の連携が強いことが大きいと。「介入拒否」気味の人もいる中で、そっと、でもしっかりと見守る「自立型」高齢者住居の意識は重要と実感しました。

老後資金問題?

 

金融庁の老後資金2千万円不足報告が問題化しています。「100年安心年金」との矛盾や、「不正確で誤解を与える」という大臣の方々の発言もあるものの、そうはいっても足りないのは事実だし、金融庁の話はざっくりながら、ウソでもないかと。火消発言にいやらしさを感じる(苦笑)。ただ、この話は個人差が大きすぎるので、誰もが同様でなく「自分の場合」をじっくり考えることが大切でしょう。30年前ならフツーのサラリーマンの多くはさほど心配でなかった老後。年金である程度基礎生活が賄えた上に、退職金の定期預金金利でかなりゆとりがあったのです。たとえば2千万円を定期にすると利息で年間80万円という時代もありました。今は年金も減り金利は言わずもがな。総務省の家計調査が正しければ、平均的には独居も夫婦も毎月数万円の赤字。あくまでも平均ですが…。

高齢者の住まい選び

 

昨日、今日は有老ホーム(自立型)での見学セミナーでした。座学のとき「良いホームの見分け方」をよく聞かれますし、皆さんも関心の高いところです。繰り返し述べてきたのですが「善し悪し」は、本人が判断するしかない、と最終的には思います。ただし、高齢者の住まいの基礎的知識や制度をある程度理解しておくこと、併せて介護保険制度も基礎は理解しておくこと、そして最も大切なのは、現場の見学です。数時間だけの見学で判断は当然できませんが、そこがスタート。そこにいる人(従業員・入居者)の雰囲気がある程度物語ってくれます。「なんかいやだな」と直感があれば、たぶんやめておいたほうがいい。「いいなと思うけど迷う」となれば、何度か時間帯や季節を変えて見学に行く、体験入居をするなど、さらに奥深くリサーチしてみる。こういうステップが大事だと思います。現場確認なくして大切な老後の住まいはありえません。迷うより一歩行動!が大切かと。

根拠のない目標

 

国を挙げて認知症対策が強調されるこの頃ですが、とうとう批判も多くなったようで。「70代で認知症発症割合を10年で1割減らす」という数値目標を上げたことが波紋を呼んでいるとのこと。生活習慣病が明らかな原因の病気と違い、誰もがなる可能性がある認知症です。若年性も増加している中、逆に「認知症になることが悪」という偏向にならないか、と。それもそうだし、過去何度か述べたように病気化することにも非常に心配します。しかも内閣官房幹部がこの数字目標を「厳密な計算をして出したわけでなく、一定の対策をすれば十分達成できると見込んだ」という、ちょっと唖然とするようなことを言っている。昨今の国会議員の失言続きや安易な物言いからして、こんなレベルが国政なのかとつくづく「残念~」┐(´д`)┌。

報道で伝えきれないもの

 

先週NHKの介護虐待番組の話を書きましたが、その前のNスぺ「安楽死」も見ました。これも50分におさめるには、いや、時間をかけても無理があると思ったら、在宅医の長尾先生がブログでまさしく論理的に問題点を指摘していました。この内容はかなり誤解を与えると思ったのです。少なからぬ人が「私もスイスに…」となるでしょう。スイスを含め外国には安楽死を認めているところがありますが、かなり条件が厳しくそう簡単にいきません。番組では簡単に行きついています。さらに妙なことがたくさんありました。ヤラセではないでしょうが、端折っている分、さらに死亡する瞬間も映し、報道としてどうなのか?!倫理観を疑いました。個人的には安楽死賛成派でも反対派でもありませんが、そのプロセスは1時間足らずの放送で説明できるはずがない。これに限らず報道がイージーになっていることが心配でたまりません。

有老ホーム数の急増

 

大学の勉強用に読んでいた文献の中で、有料老人ホームにふれているページがあり、有老ホームが法制化された頃の状況などが興味深い内容でした。私自身は一度も現場の職員として働いたことはないのですが、1998年頃から外の立場で多くの有老ホームに関わってきました。介護保険がスタート時、全国で有老ホーム届出はなんと278件しかなかった。会社勤務時2002年~03年にかけて、全国の有老ホーム現地調査を行った時も400件程度でした。19年での伸びはすごいですね。介護保険のなせる業。ただしその数のほとんどは「介護施設」です。多くの人も有料老人ホーム=介護のイメージでしょうか。文献では、先進諸国に比べ日本の住宅政策(特に高齢者住宅)の問題を指摘していました。そうなんです。問題は政策。多くの学者が指摘しているのに、改善されない。国民の福祉より経済が大事な我が国なんですねぇ。

高齢者の運転

 

また高齢者による車の事故が多発し、世間の目も非常に厳しくなっています。福岡の事故の際、丁度実家にいたので、母とTVを見ていたところ、「運転は年齢制限したらいい」と言い出しました。ちなみに、母(83歳)は昨年末で「運転やめる」宣言したため、私が変わりに運転するようになったのですが、どうしても隣町の歯医者まで通わねばならず(田舎過ぎて交通機関がない)その目的のみ自分で運転、先日治療終了と当時に重なる事故報道で「今度こそやめる、もう次の免許更新はしない」と。でも、その会話の中で「85歳以上は免許返納にすべき」「子どもが親をやめさせるべき」というのを聞いて、なんとジコチューかと唖然(笑)。80歳以上というと自分がひっかかるから無意識に85歳にしたのでしょう。さらに5年程前から私は運転をやめろと言い続けています。それを指摘したら、笑って話題を変えました。まあ、年寄りの認識なんてこんなもんかと(;’∀’)…。

TV番組の伝え方?

 

昨夜NHK「クロ現」観ました。介護施設の虐待がテーマ。2企業の例で、先般の虐待死事件の企業が過去に何度か問題を起こしていたこと、元従業員からの危惧する声。別の1社は社名が出た上で虐待防止研修を実施していること。超個人的な感想ですが、2つ目の会社がまるで虐待防止ができているようにバイアスがかかってしまう。でも2つ目の会社は本業は介護に関係ない企業であり、過去1つ目と同様にトラブル続出の2企業をM&Aで引き継いでいる会社。残念ながら現場実態はまだ未整備ではと感じます(個人的感想)。NHKもヤラセ報道が先般も指摘されたところ。ついついTV自体に不信のある私は斜め目線で見てしまいますが(;’∀’)。あと、大学の先生の「介護施設の選び方」で退職率や職員体制で「重説」の話が出ないのがちょっと残念でした。夜勤の密着取材は危機感が伝わったと思いました。30分番組では、苦しい内容でしたね(;’∀’)。上から目線でスミマセン(;・∀・)。

社会保障コスト試算のための数字?

 

先週厚労省がUPしていた「2040年を展望した社会保障・働き方改革本部のとりまとめについて」資料。105頁あるのでざっと見ですが、厳しいというか、ツッコミたいところ多々ありつつ、1つ挙げますと。医療・介護におけるマンパワーシミュレーション。介護については、2015年度以降各年代において「認定率の低下がみられる」。これはセミナー資料で半年に一度検証していたので実感していました。それが介護予防や自立支援で低下しているというけど、実態は認定操作があるからでは?そんなに効果があるならもっと予防に予算がとられるはず(矛盾)。そして、それをふまえ試算では「各年齢において認定率が1歳分(or1.5歳分)高齢にシフトする」上で利用者数を想定しています。試算というより、目標値の設定のために無理やり導いているように感じますが( ̄д ̄)?我々の知らないところで、いろんなことが進んでます…。

人生は思うようにいかぬもの

 

IT時代にも頑固に(笑)新聞紙派です。日経最終面の月替わり「私の履歴書」が結構楽しみ。とはいえ、よく言われるように“あたりハズレ”も(;’∀’)。5月は橋田寿賀子さんでした。「おしん」「渡る世間は鬼ばかり」とスグ思い浮かびます。TV無し生活を15年以上送っておりますが、「おしん」放映時は大学生時、昼休みもTVを見るために家に戻っていました(笑)。前置きが長くなりましたが、橋田さんも90代。その振り返りの話は興味深いものでした。根底には戦争体験があり、なるほど、と。お子さんはおらず、ご主人を60代で亡くし、お一人が長い生活。夫婦愛がとても強かったのに、最終回ではお墓に一緒に入れない事情も書かれていました。どんな人生でも、最期まで苦難はあるのだな、でも「そんな中でもできること」を考える発想に勇気をもらいました。いいお話を1ヶ月ありがとう。