有料老人ホームでなぜ孤独死

 

朝イチで衝撃的なニュースでした。兵庫県の介護付有料老人ホーム(自立型と思われる)で、90代入居者が孤独死(約2週間)というもの。2000年に妻と一緒に入居(妻は後年死亡)とのことで、19年近くホームで暮らしていたことになります。男性は自立で自炊(すごい!)だったため、特段スタッフからのサービスは利用していなかったそうですが、家族は「本人は嫌がっても様子を見てほしい」と伝えていた。どう考えても、ホーム側の落ち度は否めないケースです。「何のために自立型ホームに入居するか」の基本が落ちている。居室に生活リズムセンサーがなかったのでしょうか、それなら尚更何らかの手動見守りは欠かせない、90代の方です。10年位前だったか、茨城県の有料老人ホームでも同じことがありました。職員不足等の理由にはできません。職員のどこかに「あの人は大丈夫だろう」のゆるみはないのか。どの施設も自分ごととして再確認してほしい。偶発的な事故や事件ではなく、ミスによる事件です。私自身ショックでした。

高齢期「住まい」の重要性

 

先日読んでみました。著者は一級建築士で福祉用具プランナー、ケアマネの資格も持っており、リフォーム(在宅)現場も数多く踏んでいるので、なかなかおもしろい内容でした。私の進行中の修士論文の主旨も同様ですが、高齢期に「いかに住まい」が重要か。ところが、介護や医療といった視点にばかり世間は目が行くので、困ったものです。これを故早川和男先生は、事前の対策ができていなければ、結果的に介護や医療の事後対策としての尻ぬぐいになる、と指摘しました。高齢者本人も家族も、「もう先は長くないから住まいのお金をかけたくない」といった偏見を持つことが多いです。しかし、困った状態が続くことは、本人も家族も逆に負担が増えるということを考えてほしいですね。在宅を選ぶと安くつくと考える人も多いようですが、一概にそうとは言えません。「こんなことなら有料老人ホームにひっこしたほうがよかった」といった声も過去多く聞きました。老後設計はしっかり情報を集めて検討してほしいです。

Brexitと介護看護

 

朝刊で「なるほど、こういうこともあるな」と思いました。いまモメモメのブレグジットの影響として、社会保障を支える人材(看護師・介護士など)が海外に流出しているとか。代替として、英語圏であるインドやフィリピンで採用を増やすそう。フィリピンの介護看護人材は、日本にとっても貴重な対象となっていますが、フィリピンの方々としては、英語が通じる国のほうが海外で働くにはかなりラクです。ますます日本の安易な海外人材頼みは困難になるかもですね。イギリスは、医療費は公費で賄われる分、その品質もかなり問題になっています。BBCのヘルスケア記事を見ていますと、まだ日本はかなりマシと感じることも多い。とはいえ、「〇〇よりマシ」が判断基準ではなく、「人権として必要な社会保障制度」の観点で考えたいものです。

トラブルは繰り返す?

 

先週、有料老人ホームの職員(元)による入居者殺人事件が報道されました。今後の捜査結果が待たれますが、どうであれ殺人が事実であれば、職員個人の問題がもっとも大きいかと思います。一方で、過去いくつか同様の事件が起こった施設は、その企業体の以前をひも解いてみると、会社自体に問題があったことが思い起こされます。今日の画像は、2011年のセミナーで使ったレジュメの一部。名前は伏せていますが、今回の事件を運営する企業の施設(別の場所)も入っています。Netで検索すると、この運営企業の施設は過去行政指導を受けていることや従業員トラブルが発見されるでしょう。介護保険前から有老ホームの調査をしてきたので、ちょととばかり生き字引(笑)。トラブル発生の施設(運営企業)は、過去にも何かあったところがほとんどです。いかに経営者や幹部の態度が重要か、と感じます(建前はどこもいいこと言いますけどね~)

本人とまわりのギャップ

 

先週セミナー開始前に、控室でお昼のお弁当を有料老人ホーム現場の職員の方々と一緒にいただきました。ナマの声をいろいろ聞くことができ、楽しい時間に。詳細は言えませんが(;’∀’)、入居者は「守られてるなぁ」と実感します。運営されている企業体による、ということですが。自立型ホームの見守りは、介護型施設よりずっと難しい。ご本人たちは自立ですから「介入」の判断が困難です。このケースは多くの自立型ホームで伺いました。「自立型」への入居は「将来の介護」が心配な人がほとんど。でもいざ「その時」がきても、ご本人はなかなか認めない(苦笑)。外から見る要介護と自意識としての要介護のギャップは、在宅だけの問題ではないのです。いずれにしても、高齢者の生活に携わる職員の方々には敬意を表します。といいつつ、次は真逆の話をしてみたいと思います。

ミーンズテスト?

 

197頁ある厚労省の社保審資料を先週末じっくりと(さっと・笑)読み直しました。目を止めた「給付と負担の見直し」。以前から言われていることですが、介護保険における自己負担は、現在所得(年収)に応じて、一定の線引きがあるところ、金融資産等(不動産の扱いも含まれる?)の反映を今年度で検討することが明記されています。前々回の改正で、特養ホーム入所の際に、金融資産のチェックが実施されるようになりましたが、今後は介護保険全体に波及するのでしょうか。でも、金融資産の内容を精査してほしいものです。どんどんお粗末になっていく社会保障制度の中で、皆必死で老後の蓄えを「自助努力」(国が言っている!)しているのに、それをゆとりと判断するのでしょうか。相続税ならまだしも、自分で一生懸命働いて蓄えたものです。居住用不動産にまで及ぶとしたら、他の税制改正などを合わせて将来的な政府の企みが見えて来そうですが( 一一)

雇用環境の変化

 

先日読んだ書籍に、地方の雇用は縮減状況が続いているものの、データによると2009年から2014年にかけ、首都圏と中部・関西7府県を除いた地方圏は、従業者約83万5千人純減、医療・福祉部門だけが純増約68万人、この分野の雇用・経済効果は地方では非常に大きいことがわかります。しかし、医療はさておき、福祉分野の勤務者の給与は低いわけで、日本の1人当たりGDPの伸びが低いのも、その要因に少しは関連しそうな気がします。経済はお金が儲かることではなく、お金のめぐり(血流)をよくすることですから、人々が消費できるだけの経済力をつけることが大切なはず。格差広がる今の社会は、まさしく悪循環と感じます。一部の高所得者の人も、結果的にめぐりめぐって災いはやってくるでしょう。所得分配の仕組みはある程度必要ですね。

安いサービスの選択肢?

 

先日業界紙を読んでいてまた不思議なコトを発見(;´∀`)。机上の空論、財務省さん。ケアマネジメントに「価格競争が行われる仕組みを構築すべき」。介護事業所では、可能なのに加算していない事業所も実際少なくなく、そうなると同じレベル(と想定される)のサービス内容でも費用の高低差が生まれる。ようは財務省は利用者に「安いサービスを選べるように情報提供せよ」と言っているわけですが、ズレてませんか(;’∀’)?これだけ介護職の低報酬が問題化されており、厚労省なりに(妙とはいえ)報酬UPを検討しているのに、つじつまが合わない。ホントに目先のお金しか考えてないところなんですね。まあ多くの企業も同じかもしれませんけどね( 一一)。

医療→介護のつけかえ

 

今日は千葉県で高齢者の住まいセミナーでした。介護医療院のところ、少々端折ってましたが、週末社保審の資料を見て明確になりました。遅すぎですが(;’∀’)、介護療養型の廃止に伴い「介護医療院」が昨年4月から施行されましたが、明確な違い、まず第一に今まで「医療法に基づき介護保険」を適用されていたものが、完全に介護保険法となった。これでますます医療→介護付け替え、すなわち「高齢者増により介護費も上がる」図式ができる。一方で、医師配置はⅡ型で2倍以上の緩和がなされています。そして、面積基準は1人当たり6.4㎡から8.0㎡以上に『向上』されています。いや、6.4にアンカリングされているので「向上」ですが、8㎡≒2.4坪≒4畳半。何度も繰り返しですが、住生活基本法の最低居住面積は1人25㎡。介護医療院が病院なのか施設なのか、ビミョーですけど「生活施設」とのことです。

国の責務ですか

 

週末の新聞に、認知症基本法案の要綱として「国の責務」を明記するとありました。昨今のなんでも「行政の責任回避」方向からすると、おや(;´∀`)?というか、何かウラにあるのかと訝ってしまう(;’∀’)。地域包括ケアシステムを深化・推進するうえで社会福祉法を改正し、「地域生活の課題把握と解決への対応は住民が担う」とし、住民が一義的責任をもつものとされました。本来社会保障制度として責任を持つ国や自治体は、「支援関係団体」と位置付け、直接の責任を逃れている(と思われる)。という中なので、どうなのかな(;’∀’)?認知症薬を開発するために税金をつぎ込み、医薬品輸出で経済活性化を狙うとか?。なんて、穿ってしまう昨今の不信感が我ながら悲しい(◞‸◟)…。