基本は住まい

 

本の話が続きますが、大学院のゼミの課題で「孤独死」を事前学習せねばならず、立て続けに読みました。正直なところ、どーーーんと落ち込みます(ヽ”ω`)。おススメはしません(笑)。一部少々悲惨な内容も続き、ご飯が食べらず、若干ノイローゼになりそう(;’∀’)。それはさておき、額田先生(医師)の阪神淡路大震災後、仮設住宅に臨時診療所を設置し住民のケアをし続けた内容は、深く沁みました。こんなお医者さんがおられたのだ。緻密な調査や研究を現場で重ねながら、孤独死対策に奔走。貧困がその原因の根底にあることは、額田先生も、他の文献でも実証されています。「貧困=住む権利のはく奪」は決してあってはならないこと。人は「安定した住まい」があることで、健康はもちろん働くことや前向きな気持ちが確保できます。なぜ国の対策はそこに気付かないのだろうか。「経済が良くなれば低層にもしたたり落ちる」のではなく、誰もが安定し働けるからこそ経済は本当の意味で安定的に発展するのではないだろうか。孤独死数は今後驚異的に伸びると思います。(国として正式に統計すらとっていませんが!)

バイアスの罠

 

現役世代向けの「親の介護」セミナーのお仕事も多く、この本を読んでみました。週刊誌の特集みたいなタイトルが気になったものの、副題の「働きながら介護を続ける方法」及び著者の1人が某大学の先生だったので。が、個人的には大変残念でした(;’∀’)。いろんな情報を網羅しようとしているのでしょうけど、正確性に(特に施設の部分)問題ありかと。認知症グループホームの定員は9~18人(1ユニットは5~9人が正解で、これは1~2ユニットで最大この人数)、「有料老人ホームに入居すると外出には許可がいる」(そんなこと聞いたことない)、「特養ホームや有老ホームでは昼間は入居者3人に対し1人職員配置という決まりがある」(職員配置は1年間の要介護者数と常勤換算職員数で計算)、介護休暇と介護休業の混同など、週刊誌の不勉強ライター並みと感じました。普段「大手企業だから経営は大丈夫ということはない」と自分は言っているのに(;’∀’)、「大学の先生が著者だし」というバイアスにはまっていました。

セーフティネットになっていない

 

以前も話題にしましたが、週末に「住宅セーフティネット」の登録目標が2%で低迷という報道がありました。先週、居住支援法人をされている団体の方と話をする機会があり「難しさ」を聞いたところです。繰り返しながら、大前提として国策の矛盾を感じざるを得ません。「住宅確保困難」者の配慮住宅登録制度は、以前廃止された「高円賃」(サ高住統合)と重なりますし、住宅改修助成や見守り制度などは、自治体の任意事業でほとんど実施されていません。住宅確保が難しい低所得層や高齢者、障害者、母子家庭などに、安易に空き家対策を繋げるという「貧乏くさい」政策が受け入れられていないことに気付くべきでは。国交省と厚労省の縦割りもいまだひどく、この件に国交省が口を挟む必要はないと感じます。「国交省の後始末を厚労省に押し付けようとしている」と仰る方もいました。今日は少々感情的発言で恐縮ですが(笑)、居住福祉を研究する立場としては、あまりにものお粗末な日本の現状にいつも情けなくなるのです。

ありがとうの気持ち

 

2年位前もこの本のことを書いたと思いますが、再読しました。というのも、先々週訪れた福岡の特養ホームに「行きたい!」と思ったきっかけがこの本(その様子は12日と15日にも記しました)。現場に行って、もう一度ここが開設に至るまでの経緯を確認したくて。著者の筆運びがうますぎて(笑)、一気に読めてしまう。相当悪ノリの一見ふざけた内容も多いのに、深く深く残る内容も多い。誇張はなく、「その通りだったなぁ」と再読してしみじみ感じました。とにかく悪戦苦闘で(特にお金がない・笑)、登場人物皆のひたむきさに引き込まれます。「大切なことは、申し訳ないという気持ちを、ありがとうという気持ちに変えること」というフレーズがあり、これは最近私たちが失くしていることじゃないかと。家族、友人、近隣の人、介護の人、職場の人…。安易に「地域福祉」を使うのは好みませんが、変革していくのはシンプルなそのような「気持ち」なのかもしれませんね。

いつかの老後

 

「日本の高齢者は依存性が高い」。でも中には、昨日記載したように「自分の将来を自分で考える人」もお見かけします。最近そういう方々が増えてきました。たまたま私のまわりにおられるのかもしれませんが、私自身が考えるよりずっと「すごい!」というご高齢者の方もいます(^o^)。そういう方々のキーワードは「考える」「情報を集める」「活動する」のステップが明確。先延ばしせず、「今」です。「そのうち」「いつか」「将来のために」という方が本当に多いのですが、それはいつですか?といつも思ってしまいます。若いとき(笑)から、この仕事に携わっているので、私などはあまりにも早くから自分の将来を考えすぎて、友人からきっとバカにされていたと思いますが(;’∀’)、今ではちょっと逆の立場になってきました。シニア世代も、プレ世代も、そして以前よりずっと危機感を持ってほしい若い世代も、「老後の計画」は後からの「しまった」を防ぐ唯一の予防薬だと思います。

自分で「決める」

 

「子どもに迷惑をかけたくない」という日本の高齢者は多いです。「自分がどうしたいか」という視点とは少し違うのが特徴といえるでしょうか。海外(欧米)の高齢者は「自分がどう生きるか」が基軸。しかし、某有料老人ホームで、スタッフの方々が「見事」という入居者の事例をお話くださいました。遠く離れて住む娘さんがいるものの、もともと「子どもの世話にはならない」と言っていたそうです。住み替える際には、終末期の希望も明確にし、近くにある葬儀社に、どのように葬儀を行うかまで自ら指示し契約していたとか。お亡くなりになった際にも、その通り実行されたそうです。娘さんとは仲が悪いとかそういうことではありません。お話を伺っていて、自立・自律の人生を送られたのだなという印象でした。文化や社会環境、個別事情もいろいろありますから、善し悪しというのではなく、有言実行といいますか「思う」でなく「する」という実行力がすごいな、と単純に尊敬してしまいます。

身元保証のこと

 

単身高齢者の増加にともない、また高齢者住宅入居や各種サービス契約において「保証人」の問題は大きくなっています。この話も何度か記しましたし、公益法人の身元保証組織の破たん、悪徳事業者の詐欺まがいの行為など、多くの問題も発生しています。国も懸念事項として8月末に都道府県向けに通達を出しました。消費者向けのパンフレットも作成していますが、ちょっとガッカリ。注意喚起をしているものの、厚労省が記している「安心して利用できるよう」な内容になっているとは思えない( –)。個人的には以前から言うように、公的な専門機関を作るべきだと思います。それが無理なら、事業者登録制とし年間の財務や活動状況を自治体に提出させるなどしない限り、今後「身元引受ビジネス」は更に増え問題化すると非常に危惧します。とても真摯に取り組んでいる人(組織)もいれば、疑わしいところもあります。なお、厚労省は「介護保険施設(特養、老健、介護医療院)は法令上身元保証人等を求める規定はない」としています。※全文は
www.roken.or.jp/wp/wp-content/uploads/2018/08/vol.676.pdf

風邪で弱る心

 

先週は1週間首都圏におり、気温が低く風邪をひきました。木曜から咳と声のかすれが日毎にひどくなるのに木~土は毎日セミナーのお仕事、多くの方にご迷惑をおかけしました<(_ _)>。土曜日は京都で半年に1度の「高齢期の暮らしを考える初心者講座」で70分×3コマ。朝起きると全く声が出ず「マズい!」。喉を温めてストレッチして(笑)みたものの、ガラガラ声で申し訳なかった。この講座は毎期満席+椅子席で関心度が非常に高いです。アンケートはいつもより多くコメントを書いてくださり「熱意が伝わった!」「もっと社会で広く活躍を期待」など、勘違い(笑)の激励が多く、声を振り絞っていたのが逆に熱意に伝わったようです。お二人からトローチも頂き、お気遣いに恐縮でした。胃も不調で体力が急激に落ちた状態で夜を迎えると、心細さに「やっぱり高齢期独居はツライかも」と自身の住み替えも再検討せねばと思ったり(;’∀’)。喉元過ぎれば…かもしれませんが。ホントに他人事じゃない( ̄▽ ̄)。

高齢者介護だけじゃない

 

介護職員の確保が難しいことは周知の通りですが、高齢者だけでなく障害者分野でも深刻な状況です。2年前大学のフィールドワークで知的障害者施設に伺ったのですが、職員不足な上に熱意があっても疲労困憊で辞めてしまうといったお話がありました。ほんの一部を垣間見ただけですが、高齢者介護よりずっと大変なことが現場の状況をみるとわかります。障害分野も若い職員が減り、かわりにリタイア後の元気な高齢者が社会貢献を兼ねて働く人もいるようですが、問題は若い障害者(20代や30代など)は体力があるので、高齢者の介護のようにはいかない。歩くだけでもシニア介護者は若い障害者に追いつけない、ということもあるそうです。施設視察の際も、壊された壁や家具を目の当たりにしましたので、高齢者介護とは異なる「体力」が必須です。『働きやすさ』の環境を整えない限り、高齢者も障害者も介護職の確保はますます困難になると感じます(※写真は関係ありません)。

自費と保険の線引き

 

9月末に厚労省から「混合介護」に関する通知が出されました。訪問介護や通所介護とあわせた自費サービスにどこで線引きをするか。訪問介護では今まで保険で不可であった「草むしり、ペットの世話、同居家族の部屋の掃除」などは保険「外」として提供可。ルールは、保険介護の後に続けて、もしくはいったん中断して行うなど、明確に時間が区分されるものでないといけない。従って、利用者と同居家族の料理を同時に作るのはダメなのだそう。ということは、同じ料理を作るにしても利用者1人分を保険内で作って、その後にまた同じ料理を保険外で作れということですね。バカバカしい( ̄д ̄)。通所介護の外と内の線引きは「?」な内容が多い。なんて無駄な議論をしているのでしょうね┐(´д`)┌。いずれにせよ、事業者はここぞとばかり金儲けネタにするところ、黙って保険内でしておくところ、あるでしょう。以前デンマークの訪問介護に密着して「これが訪問介護だ」と思いました。介護保険、どんどんおかしくなってる気がします。