介護自己負担2割案

何かと話題を提供し続けてくれる財務省ですが( ̄▽ ̄)、介護保険の自己負担を原則2割と25日の財政制度等審議会に提案。その前に後期高齢者医療負担の2割引き上げも提案されています。財源の厳しさは充分理解できますが、この「一律」というのがどうも引っかかる。これに対し、高額療養費、高額介護費の制度があるので低所得者に配慮しているという説明が常に出てきます。原則いったん自己負担した分を限度額を超えたら戻るという制度で手続きにより最初から限度額までの支払いでよくなるケースもあるのですが、医療に比べ介護の場合は、ちょっとややこしい。市民税非課税の最低ラインで月に1.5万円、市民税課税の場合44.400円。でもこれが適用される自己負担限度額は要介護5で3.6万円程度。一人暮らしの場合だとあまり意味がない。医療と違い介護は継続的かつ毎日に必要です。ココで説明しきれないですが、公的支援が必要な人の判断は行政が責任をもって個別に対応し、介護度で一律決めるものではないのでは。そして公的な制度は応益負担でなく応能負担であるべき、と個人的に考えます。私も老後に自分で全額払えると思えません(笑)。

部屋でなく住宅に近づく?

サービス付き高齢者向け住宅の様子がここ最近少し変化してきたように感じる、と先日述べましたが、住宅面積により補助金の差をつけるようになってきています。画像は、今年度の国交省による事業概要です。例年通り300億円以上の税金が建設会社に流れていくのですが(苦笑)、従来のほぼ一律から面積に応じて3段階になっています。サ高住は台所・浴室を共同で設置した場合18㎡が最低基準、25㎡以上で設備完備と手厚くすることで、ようやく「部屋」ではなく「住宅」に近づいてきたと言えるか。これにともない、新しく造られるサ高住は25㎡以上、いえギリギリ30㎡以上のところが多くなっています(;’∀’)。一方で、特養の個室化にもいえますが、居住性を高めると必然的に入居者負担も増えます。ここでいつも思うのは、欧州なみに収入に応じた家賃補助の必要性。もちろん財源が必要。しかし介護保険の一部を振り替えることで逆に介護・医療コストを下げられるのではないか…といったあたりが、大学院での研究テーマのひとつでもあります。

ホントに見えるカラクリ

統計データを真に受けすぎる危険を以前に何度か記したことがありました。先日、大学の先生の市民講座に行ってきました。社会福祉学部教授ですが元々内科医なので科学的思考です。講座名は「健康陰謀学」(笑)。最近このテーマでお呼びがよくかかると笑っておられましたが、いかに人は「健康」というキーワードに弱いかという話を笑いを交えて解説してくれました。そのうちの1つ。日本人は「0志向」が多い。たとえば「ピロリ菌に感染している。1000分の1の確率で胃がんになるから内視鏡検査しましょう」と言われたら、どうしますか?ということですが、多くの人が「する」。先生は即決でしないそう。日本人はともかく悪いことは0.1%でもいやで0%にしたい。なるほどー(;”∀”)。他にも健康食品のPR文言でコレはへんだぞ、というのを科学的に解説してくれました。ビックリ(◎_◎;)。いやいや、高齢者がだけが騙されやすいわけではありません。「ゆめゆめ、自分は賢いから騙されない」と思わないこと!だそうです(;´∀`)

分譲マンションと高齢化

先週、「高齢者の住替え」講座に参加してくださった方から「シニアマンション」の問題点のひとつを教えてもらいました。管理組合の役員のなり手がない、ということです。確か、分譲集合住宅の場合、法律上管理組合の設置と組合加入は必須だったかと思うのですが、昨今、多くの一般マンションでも「管理組合の理事会役員高齢化」が問題視されています。私自身分譲マンション(築20年目)居住で、ちょうど昨年から理事をしています。我がマンションは街中にあり、近隣に有名な小中一貫校もあるため若い世代の流入もありますが、初期から住んでいる人は当然20歳上昇しているわけで(笑)、高齢化を実感します。シニアマンションの場合、元気シニアばかりでなく、要支援~介護レベルの方の入居も多く、役員に「なりたくない」というより「なれない」人が多いのです。結果、入居者の中でも若い高齢者がならざるを得ない。住み替え先を決めるとき、そこまで考える人はほぼいないと思いますが、高齢期の新たな固定資産保持のリスクを実感するひとつのエピソードでした。

だれの責任?

4月から大学院での勉強がスタートしました。学部時代より厳しいです。研究テーマの高齢者居住だけでなく、広く社会保障や福祉も学ばねばなりませんが、あらためて違う分野の現状を知ると高齢者問題だけでなく、あらゆる社会制度の問題が発見されます。私は子のいない生活を送ってきたので(;’∀’)、子育てに関する実態がさっぱりわからないのですが、よく高齢者の住まいの資料で使う「複雑怪奇な分類」が、実は保育にも当てはまるそうです(◎_◎;)。社会福祉基礎構造改革(1990年後半から)以来、「公営」の多くが「民営化(市場化)」されていますが、この問題は大きい。責任の所在が知らない間に国民の「自己責任」にされているのですね。介護保険が代表的、公的介護保険といいつつ、公が出すのはお金だけ。介護事業者とのトラブルには、行政は原則立ち入らず利用者と事業者で解決することになっています。これが保育も同様というのは由々しき事態ですね。物心ついたころの環境ってすごく大切だと思います。高齢期の問題ばかりに目が行きがちでしたが、広い視野でもって世の中を見なくてはと思っているところです。

総合事業と介護量

要支援の訪問介護・通所介護が、自治体(保険者)の「総合事業」に移行され、その事業撤退について以前も記しましたが、厚労省が調査したところ、全国676ヶ所でそういう事態が起きているとのこと。全自治体の39.6%にあたります。総合事業は、地域のボランティアや市民団体、既存の介護事業者などが運営しますが、介護報酬は従来の介護保険制度より原則低くする形になっています。従って「経営」を考えると無理という判断で、まずは大手企業が撤退している傾向です。もともと介護サービスは提供内容や量に地域差が非常に大きかったのですが、この改正により「悪い方」に進んでいることは確かですね。むしろ、国策としてはそれを見込んでの(介護サービスを減らす)作戦だったのでしょうか(-_-メ)。改正前から言われていた「軽度者の切り捨て」が現実化したといえますね。そもそも要介護度でサービス内容・量を区切るところに日本の制度の無理があります。「その人」がどんな心身状態で、どんな生活環境・人間関係をもっているのか、に対して必要なサービスが決まるはずと思うのですが。介護の未来はどうなるでしょう…

介護保険制度の歪み

朝刊トップ記事。厚労省はまだ全国データを公表していないと思うので新聞社の独自調査結果です。それによると、最も高い介護保険料は福島県葛尾村(人口1422人、467世帯)で9,800円!震災による避難生活の影響もあり介護認定者が多くなっているとのこと。最低額は北海道音威子府村(人口716人、446世帯)で3000円。低さの理由は「村には介護サービスが乏しく住民も介護が必要になる前にサービスが充実する都市部に転出していく」とのこと。なんとも悲しい話では( ;∀;)。気になるのが「給付抑制」の文字。経済新聞の主張ですね、社会福祉学を学ぶ立場としては問題視します。給付制限が必要なのではなく、必要な人に行き渡る制度への修正でしょう。上記のように一部地域の人が適切にサービスを受けられない。一方で都市部では供給過多で企業の抱え込みによる不要なサービス提供もある。介護保険の理念は何なのか?そこを考えずに「給付制限」とは異見も甚だしい。給付制限するくらいならいっそのこと介護保険を廃止にして、措置に戻せばいいのでは(措置に賛成するわけではないですが)。報道による操作概念(#`Д´)。そもそも介護を産業化・市場化するとこうなるのです。営利ではなく非営利事業にすることも必要では。そうすると困る企業がたくさんいるでしょうけど。

安否確認サービス

ポストに郵便局から「みまもりサービス」のご案内が入っていました。2種類あって、ひとつは、月1回の訪問で生活状況など職員から本人に10項目質問し、結果を報告先(子など)にデータ送信されるというもの。もうひとつは、毎日1回決まった時間に、自動応答で体調確認を実施(ボタンを押して体調を3段階知らせる)、結果をリアルタイムでメール送信。というメニューです。ふたつめのほうは、デイリーで確認でき月額980円(税抜・固定電話対応)とリーズナブル。親御さん本人がPCや携帯を使って毎日連絡するという方法もあるかもしれませんが、忘れたり面倒だったり、そもそも使えないというケースもある。その点、第三者からインバウンドで連絡してもらえると良いかもですね。さらに駆け付けオプションも(*‘∀‘)。なかなかこのサービスは廉価でよいな、と感じました。そのうちITやAIが進化したらもっとすごいシステムができてくるのでしょうが、どこかに「人」を介したサービスはほしいなぁと個人的には思ってしまいます…。

有老ホームの正確な情報開示

厚労省から各都道府県、政令市、中核市に対し「有料老人ホーム情報提供」に関する通知が出されました。これにより、有料老人ホームなどの情報提供は法令上の義務となりました。今まで仕事上、各地の行政HPから有老ホーム情報を入手しようとしても、この格差が激しい(-_-メ)。東京都や神奈川県のように適時詳細情報を開示しているところもあれば、いったいいつの情報?と思うような名称リストだけのようなところまでバラツキが酷い状態でした。どこも7月1日時点ベースで各施設から提出されるデータをまとめて表示する形ですが、今後は内容に正確性を求められ、網羅すべき項目も最低限規定されます。形式は各自治体独自でOKで、これも全国統一にしてくれると違う地域の情報を見るときにわかりやすいのですが、そこまで配慮はないようです(◞‸◟)。ただ、かつて「特定施設」に関しての適宜情報公表も通達されましたが、これもいまだ温度差があるのが現実で、どの程度今回の通達が有効か個人的には疑問もあります。基本はインターネット上の開示、行政には「ネット閲覧できない人への配慮」も求められています。シニア世代はまだまだITに弱い人、情報入手困難な人も多い。本人(当事者)にわかりやすく行き渡る仕組みを望みますね。

財務省の介護保険ツッコミ

介護保険第7期が始まり改正スタートしたところですが、政府はすでに次期改正に向けて動いています。ここ数年の財務省のナリフリ構わぬ提言には唖然とします(-_-メ)。既に過去から出ている案ではあるものの、ケアプランの標準化や自己負担の導入。しかし、社会福祉や介護の理念のひとつとして「個別化」「その人に必要な支援」が揚げられているのに「標準化」などとよく言えるもんです。「過剰サービス阻止」のためですが、表現は「望ましいサービスの種類や頻度を定める」です。私たちはこういう言い回しにホントに注意しないといけない。国の効率化・標準化は「経費削減のためにサービスや福祉を縮小する」ということなのだから。さらに、ケアプラン自己負担については「利用者が自己のケアプランに関心を高める」「利用者とケアマネのコミュニケーションが促進される」と、もうここまでくると笑えるぐらい(-_-メ)。まだまだありますよ(;’∀’)。施設や事業所の大規模化促進。これまで人の尊厳やサービスの点で、大規模施設の問題から小規模化を進めてきたはずでは。「自立とは介護保険を使わないこと」ではなく「利用して自立生活ができること」。まったく昨今の財務省のお粗末さを思うと、国民をなめとんかー(#`Д´)!と言いたくなりますネ~。