これからのサ高住

今週初め、京都で昨年開設のサ高住に見学に行きました。全国展開企業が運営。京都は特殊地域と言われ、地元以外の事業者は結構苦戦しますが、7ヶ月で満室とスピーディです。理由として感じたのは、①立地が良い ②入所時に敷金2ヶ月のみ ③18㎡介護型は家賃7.9万円+共益・サ費5万強とリーズナブル ④訪問介護・居宅支援併設(建物内) ⑤介護外付けで自由選択+私費は10分400円から ⑥24㎡、32㎡にはキッチン、バストイレあり ⑦ほぼ全ての在宅医療受入OK ⑧看取り対応OK、など。食堂は1日3食1ヶ月4.7万円。でも3食とる人は少なく、自炊の人も多いとのこと。実は最近ちょっとサ高住を見直しており(;”∀”)、「何でもする」ではなく「できることは自分でする」には、サ高住の在り方が必要なのではないか、と。このサ高住にも自立から介護5まで入居されていますが、32㎡は対面型キッチンもあり、自立でも十分暮らせると感じました。さらに、終身建物賃貸借なので更新の必要がありません。いい加減な経営のサ高住は、これから自然淘汰されるでしょうね。

介護の本音

桜満開@鴨川in京都(*’ω’*)。
昨日の続きで「我らがパラダイス」(林真理子/2017)の中に、親の介護をめぐっての様々な考えが出てくる、言えないけどずばりなセリフをちょっとご紹介。
「チヅは歩行が不自由になったものの、頭はとてもしっかりしている。(中略)、あと20年は生きるのではないだろうか。だったら入居金を多く入れ、月々の支払を軽くしたほうがいい。それとも…、と考えているうち、朝子は自分にぞっとする。母をこれほど愛しながら、あと何年生きるだろうかを予想し、入居金をどうしたらいいかという計算をしている」
「介護は優しい人間が負けるのだ。親を思いやる心を持ち、常識や気配りがある方が負ける。こういう人間は、争うことを放棄してしまうからだ。親のことできょうだいといがみ合うのは嫌だ、と当たり前のことを考えたほうが損をするのである。そして、これがつらいところであるが、争っている間にも、親は年を取り、ボケていき、体が動かなくなっていく。誰かがしなくてはいけない。こう思ったほうが負ける。つらいめに遭う。損ばかりして悔し涙を流すのである」
親の介護で苦労している主人公たちが働く先は、超高級型有料老人ホーム。そこで生活する優雅な老人たちと自身の親や境遇の対比は、まさしく老後格差を表す真の姿と言える気がしました。

小説は事実より奇なり?

昨日午後図書館で借りて、455頁ありますが日付が変わる前に完読しました!奇想天外フィクション(;’∀’)、高級自立型有料老人ホームとその介護棟が舞台、主人公となる3人の50歳前後の女性は庶民で家族の介護問題を抱える。ストーリー自体はナンセンスなんですが(笑)、よくまあ内部事情をここまで描けたな、というくらい、入居者か従業員でないとわからない事実が詳細に描かれていました。私なんかは「林真理子さん、どうやってコレを知ったのか」というほうにドキドキ(;’∀’)。確か100歳超の実母介護をされていた(間接的に)と思いますが。中には問題のある低額介護施設も出てきて「あそこがモデルかな」と思ったり(笑)。介護の問題、登場人物(主人公、介護の親、親族、施設責任者や従業員等)のセリフも現実的です。決してキレイごとでなく心痛い内容も。そして「お金のない人は、中途半端な施設に入らないほうがよい」を言いきっていて、私自身ここしばらくずっと思っていることなので、林氏の洞察力に感心しました(ホントはあまり好きじゃない・苦笑)。オチは(・・?…(個人的に)でしたが。(Amazonの書評は低いです、気持ちわかりますが、その問題を投げかけたのでは、と感じます、深読みしすぎ?・苦笑)

課題は医療費より介護費

京都佛光寺の八重桜、開花までもう少し(*’ω’*)。昨日の続きで「日本の介護」(中村・菅原2017)の中で、おもしろい分析がありました。高齢期に気になるお金は医療費と介護費ですが、医療費は年齢と相関関係がないということ。ようは医療費が高くなるのは死の直前であるため年齢に関係ないが、高齢期は死亡率が高いので医療費も高くなる、という若干屁理屈(笑)のような話ですが、なるほどという感じもします。一方で介護は「治癒」しないものであり、高齢期に身体が衰え長期化するため年齢との相関関係がある、と。ここから、医療費の削減ということは難しい、そして介護費は高齢者の増加とともに増大するということが導かれる(;´∀`)。うーん、アカデミックな分析は難しいのですが、なんとなく納得させられる部分があります。ようは、高齢期の社会保障コストを抑えるためには、やはり医療より介護対策に重点化が必要なのでしょうね。モンダイは具体的な対策とは…ですけど。

高齢者特性は平均で見ると危ない

最近読んだ本です。難しい大学の先生の研究書なので気軽に読むにはお勧めしませんが(;’∀’)、非常に興味深い内容でした。私たちはいかにメディアや政府発表の統計データでズレた情報を受け入れているか…。そのひとつ「チャイルドレス高齢者の増加」。出生率や同居率低下など大々的に取り上げられるのはほぼ平均値、計算根拠が課題です。詳細を調査してみると、65歳時点での子供のいない高齢者の割合は実は長年大きく変わってはいない。出生率の低下は、未婚者上昇と言う理由もあるものの、夫婦でも昔から子供の有無比率はそう変わりはなく、夫婦の子の数が減っていることに起因している。たとえば子どもゼロの人と3人の子供の人との2人の平均は1.5人です。確かに私の子供世代は3人兄弟が中心だった記憶があります。そして同居率も同様で、全高齢世帯に対して同居率を出すと低くなりますが、子のいる高齢者世帯に対する同居率にはほぼ変化がない。なるほど!今後の高齢者の居住や介護の政策には正確なデータを用いないと「家族介護」の推奨は意味がないのです。子供がいないから住み替えセミナーにきているのではなく、絶対数として多いのではないか、と漠然と感じていたのですごく納得しました。

介護事件で死刑

川崎にある有料老人ホームでの入居者転落事件で死刑判決が出ました。正直なところ少し驚きです。確実な証拠がなく本人の自白の信用性からの推認ということです。朝刊では並列して介護施設虐待の記事もあり、煽るなぁ(苦笑)と、思いつつ、事業者や国・行政に考えさせるとも感じます。もちろん犯行であれば許しがたい行為。一方で介護の現場の過酷な状況は、TV新聞で見聞するだけでは絶対に伝わりません。この事件は施設内ですが、実態は家庭内のほうが何十倍も多い。全ての施設に疑いの目を向けることは間違いですし、閉ざされた家庭内介護の苦痛も見逃せません。でも約20年、多くの施設の現場の責任者や経営者の言動を見聞きしてきた個人的経験から、施設の場合、結果的に責任は「責任者」にあると感じます。「介護職は来るもの拒まず、去る者追わず。キリありませんから」と平気で言っていた女性役員もいました。働きやすい環境を整えることは責務。現場を担ってくれる人がいてこそ、経営も家族も入居者も成り立つことを忘れてはいけませんね。

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今日は思い切り私事です。この3日程、奈良(といっても橿原神宮近くの南の方)にいました。古い感覚だらけの親戚縁者の中で唯一私の理解者でありメンターであり、ロールモデルであった叔母が20日の朝、急逝しました。最近よく聞く大動脈解離、何の前触れもなく、お医者様の見解では一瞬のことだったようです。72歳まだ若い高齢者です。今日灰になってしまいましたが、まだ信じられません。また「元気?いいお酒入ったらから飲みにおいで」って電話がかかりそうです。実家での家族を3人亡くしていますが、同様の心にぽっかり感で久々にうろたえました。普段、エラそうに「身内の介護や死の覚悟」を説いているのに、自分のことになると本当にダメダメでした( ;∀;)。お坊様が「誰もが死ぬことを知っている。だけど自分の事とは思っていない」と仰っていました。わかっているつもりの自分がいて、そんな自分にショックもありました。スミマセン、今日はダメな自分の話でした(;’∀’)。畝傍の朝もや景色です。

ちょっとした気配り

先週末東京で昨年開設した自立型有料老人ホームを見学させてもらいました。メイン玄関のフロント側にショッピングカートが数台置かれていたので「何に使っているのですか?」とお聞きしてみると、入居者が買い物から帰って来て(バスやタクシー)、そこから部屋まで荷物を運ぶためのもの、だそう。利用頻度はかなり高いそうです。まだ入居者も入居したばかりですが平均年齢は81歳とのことで、自立ながら買い物の持ち運びは少し大変なのでしょう。これはなかなかいいアイデア。空港などでもちょっとした荷物運びにカートを使うのと同じですね。私が写真撮っても良いかお聞きすると、不思議そう(こんなもの?・笑)にされていましたが(^_^;)、「入居者の要望ですか?」と聞くと「スタッフが気付いたので、開設すぐぐらいから設置してますよ」とのお返事。スタッフによる入居者の観察と課題解決アイデアという流れはなかなか良いですね。

65歳以上の介護保険料

第7期(2018~20年度)の第1号介護保険料が発表されはじめました。まだ全国一斉の情報はないようですが(私の知る限り)、上昇しているところが多い感じを受けます。青森県は40市町村の平均が6,627円と地元新聞が週末発表。最も高額なのは東北町の8,380円とのこと。第6期より県の平均は508円UP。65歳以上介護保険料は、基礎自治体(市町村)の高齢者人口や介護財源などにより算出されますが、一般的に公表される金額は「基準額」(本人住民税非課税で本人の年金収入と合計所得が80万円を超え同一世帯に住民税課税者がいる)。この基準額からその人の収入・所得により数段階に分かれます。自治体によって異なり、京都市の場合は11段階、世田谷区の場合は16段階にも。収入の少ない人は基準額×0.9倍や0.75倍など減額され、多い人は1.25倍や3倍(!)など増額されます。介護保険料の減額措置は、健康保険料よりは厳しい気がします。従って低所得の人も介護保険料の負担は決して小さくない。このまま増え続けるとホントに払えない人がたくさん出てくる気がします。

若い介護職

介護事業大手のツクイは、デイサービスや有料老人ホームで高校生アルバイトを募集するそうです。訪問介護は資格が必要ですが、通所や施設は無資格でも問題ありません。募集開始したばかりのようですが、状況が気になります(‘∀’)。昨今、虐待や事件では20代の若者が関わることが多い。10代のときに高齢者や障害者と接することで大切なことを学んでくれると良いのですが、逆方向に向かうリスクもあります。現場で指示・指導する管理者の責任は重いですね。以前も記したのですが、中学生時代にヘルパー2級程度の勉強と毎年の現場体験を義務教育にしては。今はどんな仕事に就いても高齢者や認知症、障害者の方々への適切な対応は必須であり、機会は増えています。学力を上げることは大切ですが、勉強の目的は学力が付くこと自体よりも社会で生きていく能力をつけることですね。目的と手段を間違ってはいけません。高校生介護職の動向を追ってみたいと思います。