寝たきり専用アパートの存在

 「罠」とは、介護ビジネスの餌食になってしまうという意味ですが、過去にも報道された無届施設における「高齢者虐待」の詳細ルポです。厚労省も毎年「未届」有老ホームを公表し重い腰をあげましたが、対策はまだまだ(以前は無届だったのに未届と表現変わりました)。本には吐き気を催すほどの酷い実態も記載されていますが、恐ろしいことに施設には、病院やケアマネが紹介するケースが少ないとはいえない。以前話題になった栃木県「たまゆら」事件では、都内の区の福祉行政から紹介されていたことも驚愕でした。ところが、このような施設はなくならないどころか、まだまだ増えるでしょう。非常に低価格のため、家族も行政も頼らざるを得ない(事業者はあらゆる手を使って公的報酬で大きな収益を得る)。しかし、本人の人間としての尊厳はめちゃくちゃです。福祉とはなんぞや?を改めて考えてしまう。誰にとっても他人事ではないと思うのです。一般の人には、施設の良し悪しの見分けはなかなかつきません。日ごろから関心を持ち、施設やサービスの優劣を見抜く目を作ることが大切です。特にシニア世代は「自分はどうしたいか?」を子や身内に頼るのではなく、『自分で』考えることがまずは防御する策だと痛感します。

 

80歳以上指定(笑)痛快映画

 今日は軽い話題で(;’’∀’’)…。映画「ジーサンズ」を観てきました。しかし、この邦題ちょっとひどすぎ(-_-メ)…(原題はGoing in style)。労働者だった80代の爺さんたち、会社のM&Aや海外移転で年金がゼロに!(アメリカの年金制度は日本とは異なる)。その他にもいろいろな問題があり、考え付いたのが「銀行強盗」(;”∀”)。完全にコメディなのですが、ホロっとくるところや、なるほど、と思うところなどいろいろあってとても楽しめた映画でした。しかし主演の有名男優さん達、実年齢が80~84歳。すごい!かっこいいです。さらに、32年前大ヒット「バック・トウ・ザ・フューチャー」のドクこと、クリストファー・ロイド氏もまだら認知症役で出ていました。世界的に高齢者がテーマの映画が本当に多くなったと感じます。それだけ、どこの国もいろいろな課題を抱えているのでしょうね。社会派シリアスなモノもいいのですが、明るい気持ちになれる(ある意味高齢者の自虐)映画は、高齢であることをポジティブに捉えられます。これからどんな高齢者映画が出てくるか、楽しみです。

要介護になる原因「認知症」トップに

 昨日、国民生活基礎調査(H28年)の発表がありました。報道では「老々介護」が大きく取り上げられているようですが、個人的にいつもチェックしている項目のひとつが「要介護になった原因」です。介護原因など詳細項目調査は3年に1度です。そこで、前回のH25年と比べてみると…。認知症が飛躍的(?)にトップとなっています。環境的には「脳血管疾患」のほうが相変わらず多く感じるのですが、見えざる認知症、あるいは問題あれば認知症、という図式も考えられるでしょうか…。複合的な原因も多いので一概に判断できませんが。一方で男女別データを見てみると、傾向は今までと変わらず、男性はトップが脳血管疾患26%、女性は認知症20%ととうとう大台に。ようは女性の認知症が増加している傾向ですね。気になるのは、男女ともに「高齢による衰弱」割合が増えていること。だいぶ前には男性はこの項目が上位に入っていなかった。若干でも寿命の延びが影響しているのでしょうか。しかし、これでは国が進める「自立」「改善」の逆をいっていますね。次期改正の要介護改善インセンティブがおかしな方向にいかないことを祈るばかりです…

もっと声をあげなくては

 一週間前の社保審介護保険部会の内容ですが、今後の介護保険についていろいろある中で、いよいよ現場の怒りも本気で高まってきたか(;’∀’)、と感じるものあがりました。厚労省などお役人はとかくデータ分析など「机上の空論」が多い。相変わらず、2025年を見据えて必要なマンパワーの推計をするように(人材確保のために)と言うようですが、老健協会会長が「厳しい言い方だが現場から見ると推計なんかしている場合じゃない!」と批判されたとか。そもそも2025年が区切りじゃなくて、すでにパニックに近い状態の現場にまだ将来に向けてとか言ってることが相当ずれている。さらに「こんな状態で施設をどんどん作ったら人手不足を助長する。人材確保に直結するする策を」と続けられたそうで、全くその通りだと思います。もちろんそのためには、介護職員の賃金見直しが筆頭にくるわけで難しい問題とはいえ、そもそも本来措置(国の負担)であったものを国民負担に押し付けているわけなので、この解決は国がきっちりと落とし前をつけなくてはいけないと感じます。現場の代表者、もっと頑張れ( `―´)ノ

未届けホームの実態④

 先週末からの未届シリーズ(笑)では、必要として生れ出た未届け施設ということを書きましたが、報告書では大きな不安を提起しています。「あえて有料老人ホームに該当しないような施設運営をする事業者」を指摘。有料老人ホーム届出をしないことで「指導」「監査」を逃れる、利益確保のみの運営(介護報酬)を目指すというところもある。たとえば、不十分な住宅の1階にテナントとして介護事業者を入れ、居住者とは個別の契約で介護を提供する(中には全部無料サービスと言っているところもある)、高齢者以外の居住者も入れる、などにより有老ホームやサ高住ではないと主張する先もあるらしい。報告書の隅々まで見ていると、設備面での不備が非常に不安視されます。日本でも今までスプリンクラー未設置の高齢者施設やグループホームが火事になり、多くの被害者を出しました。しかし、事業者だけを責められない。そんな「劣悪」と言えるところでさえ入居率が高い事実をしっかり見据えるべきでしょう。事業者の問題でなく高齢者福祉制度の問題であると個人的には感じます。指導強化しても決してなくならない、根本的な問題ではないでしょうか。 

未届けホームの実態③

 未届けホームの話、その3。では事業者側の意識はどうか? 未届けの理由は「届出の必要があることを知らなかった」が15.3%もあり、これが本当なら高齢者等への社会福祉的事業への認識が低すぎと感じざるを得ない。「有料老人ホームの定義に合致しない」が47.5%と非常に多いです。これは行政側の再考の余地もあるでしょう。もっと疑問は「行政に届け出は必要ないと言われた」が18.2%。何をもってそう判断したのでしょうか。全体を見ていると、費用を安く抑えるために設備や人員配置を極限まで切り詰めている感があります。結果的に有料老人ホームの定義に合致しない、でも多少品質が悪くても低価格ニーズは高い、という矛盾が発生するのでしょう。当然とも言えます。自由コメントには、「高齢者だけでくくらず障害者や困っている人を幅広く受け入れたい」「行き場のない人に低価格で住居とケアを提供したい」というのがあり、これは一概に事業者を責められないと痛感します。公的な制度でどうやってこのような多くの人を受け入れられるのか? ある意味、未届け(無届け)は国としての社会福祉のほころびから必要善(悪)として生れ出たのではないか? 続きます。

未届けホームの実態②

 未届けホームの続きです。運営主体の法人が運営している他の事業は、居宅系の介護事業63.6%、有老ホーム・サ高住が42.7%となんと介護保険を利用しているであろうと思われる事業者が非常に多い。なお居住面積は有老ホームの最低基準13㎡を下回る施設が44.6%と半数近い。最小値は3.1㎡と畳2畳程度?! スプリンクラー設置済は37.8%で60%以上が未設置です。夜間職員配置ナシが10%、日中配置もナシが7%。一方で1ヶ月費用(家賃・管理費・食費・その他)は、平均10.5万円、最小値なんと26,500円と非常に低価格です。平均入居率は86.4%と高い。結局、品質に目をつぶっても価格優先という傾向が見えますね。当然でしょう、特養は入れない、有老やサ高住は高く無理…。実際、入居動機は「一人暮らしで家族の支援がない」66.7%、「病院から退院後自宅に戻れない」62.7%、「介護が必要になったため」58.2%。国は合法な市場化のハコを増やしても高くて入れない、安い公的施設は作らない、これが居住における老後格差の元凶ではないでしょうか。自分の老後も他人事ではありません。続く。

未届けホームの実態①

 高齢者住宅財団にいる友人が先日昨年度の研究報告書を4冊くれました(勉強しろよ!ということ・笑)。そのうちの1冊がこれですが、考えること多々ありました。未届けホームのことは過去何度も記載してきましたが、行政発表は氷山の一角で実際は数十倍あると思っています。原則「良くない」。しかし中には行政指導によらない本来のニーズに合わせたところもあると思います(といいつつ、それはかなり少ないはず)。報告書によると、無届施設への入居紹介は「病院や診療所」70.7%、「ケアマネジャー」68.9%、「地域包括」42.7%がTop3。以前から病院と不動産会社の連携による無届問題(虐待につながるケースも)はありました。それは別にしてもケアマネや地域包括まで?!でも考えると数年前の「たまゆら事件」も東京23区行政から紹介され入居されていた人もいました。また、未届けの運営主体は株式会社等が82.2%と圧倒するものの、NPO、医療法人に加え、なんと社会福祉法人も0.9%ですが存在します。これって…。このデータ興味深いものが多いので、続きで書いてみます。

質対策も併せて

 東京都はグループホーム(GH)を増やすために、土地所有者が施設を建設してGHを運営する事業者に建物を貸す「オーナー型」施設を促進するそうです。このサブリース型は、GHだけでなく有老ホームやサ高住などいろいろな高齢者施設で中心の形式なので珍しくないですが、行政が関わるとは…。都は1ユニット(施設)あたり2千~3千万円の工事費を助成するとのことで、東京行政のようなお金のあるところだからこそできるコトですよね。しかし、GHニーズは別として、東京中心に相続対策による土地活用でアパート過剰の状態になっているとか。アパートローンはバブル時代を超えているそうで、これからの高齢者事情を考えると、箱だけたくさん作っても逆にトラブルに発展しないか心配です。併せて職員の対策も必要なわけで、どうも日本の習性として「ハコ」作りが目的になる傾向でしょうか…。一方でまた神戸でケアマネによる横領が発覚しました。最近続きます。要介護者の生活を守る人々による犯罪。建物も人も数対策だけでなく質対策も併せて検討してもらわねば。

災害は忘れた頃に…

 昨日は居住する学区の防災訓練でした。人口3約千人のうち300人程が参加していたかと。消防局の多大なご協力を基に、区役所、市議も参加し大がかりな訓練でした。先般のロンドン大火災も記憶に新しい中、今回は「地震」を想定ですが、訓練は体で試しておくのと指示書を読むだけでは全然違います。「大災害は致命的に公助が遅れる、だから自助・共助が大切」ということを実感。介護保険とは違います(苦笑)。当日は、赤ちゃんから90代と思しき高齢者まで、車いすやシルバーカー、杖のシニアもたくさん参加していました。素晴らしい。過去の大災害では、避難所や仮設住宅に移ってから亡くなる方の90%70歳以上なのだそうです。座学、救急処置、煙の中避難、消火器実行、起震車による揺れなど貴重な体験でした。ちなみに我が学区は京都市内でも街中なので、高級ホテルも多く大災害時には避難所になるそうです。避難所トリアージ(?)もあり、高齢者や障害者の方々は宿泊系施設を優先され、元気な若者は体育館(;’∀’)。精神的ダメージが多い中、それは大切だと感じます。