後見人制度のこと、続き

 1週間ほど前に成年後見制度の話を記したのですが、その記事掲載(3月号)の後半(4月号)を図書館で読んできました(いつもグリーン車乗れません・笑)。某企業の管理職の方の体験談。血のつながりのない姻族である叔母が倒れたものの連絡先がなく、財布に入っていた名刺をきっかけに対処する羽目に。叔母には実の妹や甥姪など血族が相当数いるにもかかわらず誰も「関わりたくない」。ほっとけないのでお世話するものの裁判所から後見人を認めてもらうのに半年近く要しそれまでの費用は自己負担!仕事の合間を縫って奥さんと献身的に後見人をされるのですが…。記録もきちんと取り、その間の煩雑さ、杓子定規な法の対応、どう考えてもおかしい!ことの連続…。死亡とともに後見人ではなくなるので葬式も出せない(裁判所と戦って実施できたようですが)。遺産は自分に関係ないものの、一切関与しなかった血族10数名の相続人に引き渡すべく奔走せねばならない…生々しい記事でした。後見制度は、悪意のある人を排除しようとすると善意ある真面目な人には非常に労力を伴うことになる。逆も然り。介護保険と同時にできた制度で17年、現状課題を精査すべきと感じます。

孤独に弱い男性

 ようやく少し暖かくなりましたが、京都の桜状況はこんな感じです(鴨川丸太町周辺)。開花は来週でしょうね~。
 先日「家族同居ながら孤食の高齢男性は死亡リスクが
1.5倍」という記事を見ました。女性には差異が見られないそうです(;’‘)。食事面だけでなく、よく言われるのが「家族の中の孤独」のほうが「独居の孤独」よりメンタル的に厳しいと。わかる気がします。特に男性は女性よりずっと精神面が弱いのでしょうね。以前、どこかの医療機関の調査で「妻を亡くした男性のその後の平均余命が1.5(記憶が確かでないですが)程だが、夫を亡くした妻は、夫のいる妻よりずっと長生きする傾向」と見た記憶が(;’‘)。先日もセミナーのときに高齢男性が「妻を亡くすともう何もできない」と話されていたので、さもありなん、でしょうか。いずれにせよ孤独「も」楽しむぐらいの気概でいたいですねー。

3大社会保障、介護伸び率トップ

 2017年度予算が成立し、5年連続過去最高の約97.5兆円。もう金額が大きすぎて「それはいくら?」(笑)。今、金融政策の本を読んでいまして量的質的緩和のデメリットを実感、この先日本どうなる…と違うコトでまた心配が増えています(;’‘)
 それはさておき、高齢期に関する次年度の社会保障費予算を見るとその伸び率は、年金
1.5%、医療2.0%、介護2.8%と想定通り介護の伸びが顕著です。国会後半は法案審議で、いよいよ18年度の介護保険改正に踏み込みます。政府案の一定所得以上の介護自己負担3割がカタイとは思うものの、野党は「2割据え置き、介護職員処遇改善、介護休業増」など優しい案が並びますが、財源確保は? 
 しかし歪んだ見方をすると、無理やり長生きさせられて、医療や介護でお金を取られて、それが高くつくから税金や保険料も増やされて…なんだか経済対策に国民が駆り出されている気がします。いつも海外事例を出して恐縮ですが、なぜ海外に寝たきりが超少ないのか、日本の異常さをつくづく感じるのです。

特養ホーム待機者減少は地域差が大きい

  昨日2017年度予算が成立、予定通りということでいろいろ話題にしたいこともあるのですが、それと別に厚労省が久しぶりに特養待機者データを発表したのでこの話題を取り上げてみます。報道では「減少」とありますが、当然入所要件が「要介護13」以上と厳格化したことが原因でしょう。しかし、全体を見ても真実は見えてこない(;’‘)、ということでいつも通り発表データからちょっと分析してみました。
 
H26年からH28年でどう変わったか?条件を合わせて要介護3以上で比較してみると、こちらも全層で減少しています。これはおそらく前回改正で入所費用の負担が重くなったことが原因ではないかと感じます。都道府県別にみてみると(このデータは要介護詳細がないのでH26年は要介護1以上の数値)、条件が厳しくなっているのにH28年のほうが増加している県が4県あります。全国の要介護3以上比較の増減率が85%なので、それ以上に増えている県が8県。さらに75歳以上人口対比での待機率を計算すると、1.1%から6.2%まで開きが大きい。これらから推察すると秋田県と愛媛県の特養待機が大変そうです。

社会福祉って何なのか?

 週末観てきた映画の話です。公開中の「わたしは、ダニエル・ブレイク」(原題:I, Daniel Blake)。引退表明した高齢ケン・ローチ監督がどうしてもコレだけは撮ってからとの力作。先日も英国高齢者福祉政策の激変について書きましたが、『イギリスよ、ここまで落ちたか』と思わせる内容です。7年前デンマークに行った時「役所申請は全てオンライン化、高齢者にも教育している」と聞きましたが100%は無理だろう、漏れてしまう人が絶対発生するはずと訝った。
 映画ではさらに「悪意」をもって(のように見える)
IT弱者を排除している。実際役所隠語でこのような人達を「もぎ取りやすい果実」と呼ぶそう。心臓発作で医師に休職するよう指導される主人公。役所にその間の社会保障を申請しようにもPC
からでないとだめ、杓子定規の問答、関係ない質問による排除…。ラストの手紙が心打ちます。それがタイトル。途中一般市民が大絶賛する場面があるのですが、これは今の英国の現実を表しているのだろう、そして実は日本も(北九州市や小田原市の問題など)同様に恐ろしいことが起こっているのだろう、と思ったりしました。
 確かに不正受給は許せない。しかし本当に必要な人を餓死させていいのか?何のための税金か?役所の皆さんに見てほしい内容でした。

生活習慣病のリスクを高める?

 厚労省の「H27年国民健康・栄養調査報告」、栄養バランスの食事状況等多々ある中で、呑兵衛の話ですみません(;’‘)。よく「年を取るとお酒が飲めなくなる」という話を聞きますが。もしかしたらそうなのかな、とこういう結果を見ると思ってしまう。女性の場合40代がピーク(;’‘)。男女ともに70歳以上になると極端に落ちてしまいます。自ら節制でなく飲めなくなるならちょっと悲しいところ。ところでいつも健康診断でも調査項目の飲酒量を疑問に思うのですが、ここに記載されている「生活習慣病のリスクを高める飲酒量」とは、女性で「毎日(週36日)×1合以上」「週12日×3合以上」などありますが、男女だけで単純に比較できないし、女性でも体格の違いがあり一概に言えないと感じます。いずれにせよワタクシなどはリスクを高める状態がもう〇十年続いていますが、いたって健康であることを申告しておきます(*’ω‘*)

待ったなしの後見制度改善

  新幹線グリーン車に乗せて頂く機会があり、設置雑誌の特集が「成年後見」でした。結構読み応えのある内容で、現制度の課題を突いています。「後見格差」とも。認知症の人やMCI(軽度)が増加しているのに旧態依然としたまま。さらに明らかな後見人不足。既に現場からは声が上がっているのに放置すら感じます。行政対応しないと個人任せで成り立つことではない。被後見人(認知症本人)の人権擁護は当然ですが、後見人側の整備も改善が必要。悪意(犯罪)のある後見人もどきを排除すると同時に、後見事務の裁量拡充や負担軽減を検討しないと。
 先日、生々しい話を聞きました。知人の介護事業所に通う軽度認知症の独居女性に、赤の他人が親切に近寄りなんとその後「養子縁組」してしまった。お金を自由に使ったり背景にどうも暴力団関係が見えるらしく、警察や役所に知らせて現在対応を図っているそうです。知人も「こんなことが身近で起こるなんて」と絶句していました。こういうビジネスが今後発展する可能性ありです。大量発生してからの対応でなく予防対策をぜひとも講じてほしいもんです。

有料老人ホーム届出数、未届数

 昨日厚労省から有料老人ホーム指導状況調査がUPされました。自治体への届出数、該当するのに届出されていない(未届)数。H286月末時点で全国届出11,739件。未届1,207件。いつも申しますが、善悪は別にして未届数はこんなものじゃないと思います。ところで、せっかくなので(;’‘)、独自に他のデータと関連付けてランキング作ってみました。ホーム数は、なんと東京を抜いて大阪1位!というか、東京が4位に転落。未届数は北海道が1位、これは多いというよりまじめに調査している結果かと(苦笑)。0件が6県、自治体が見つけられないだけかと思います。都道府県人口と高齢化率を掛け合わせて高齢者人口ランキングしてみると圧倒的に東京の高齢人口、すごいですね(゜д゜)!京都府の全人口(260万人)を超えている!定員数不明なので施設数で高齢者人口対比を出してみました(=充足率ではない)。なんと沖縄が1位。滋賀県が最下位。地方に有料老人ホーム数が多いのはそれだけ介護力がダウンしているからかもしれませんね。

かつての福祉国家が…

 ここ1週間「英国高齢者福祉政策研究」という分厚い本を読みました。イギリスとえいば「ゆりかごから墓場まで」代表的な福祉国家でしたが、とんでもない現状になってきています。人口は約6500万人、高齢化率も18%程度と日本ほど深刻に見えないのですが…。文献によると、過去5年間で公的介護サービス利用者は25%減少。もちろん改善したからではなく、要介護認定の締め付けにより、最重度(危機的)と重度のクラスでないと公的サービスは受けられなくなったためです。これにより介護が必要な多くの人が受けられていない。公的介護の仕組みが日本と異なるので同一視できませんが、事業への財源カットも厳しく文献には「介護事業はブラック化」とも((( ;゜Д゜)))!日本以上に大変では、と思っていたところに昨夜BBCニュースでは「ここ3ヶ月で69の介護施設が閉鎖、2500ヶ所の介護事業所の1/4が倒産危機にある」と。介護職員には最低賃金を下回る違法な給与でないと事業が成り立たない状況とのことで、事業者は「絶望的、来年まで事業を継続できるか…」と嘆いています。うーん、日本はマシと思うわけにはいきません。同じ土俵に、どの国もいると感じます。

有料老人ホームに関する指導強化

 またカタイ話に戻りますが(;’‘)2月に閣議決定された次期介護保険、他の改正案ですが、有料老人ホームに関することを少し。入居者保護を図るために次の施策強化が挙げられています。①業務停止命令…自治体の指導に従わず悪質な事業を続ける施設には事業停止命令ができる(これはかなりキツイ処置)。②保全措置の対象拡大…入居金(前払い金)は万が一の倒産時に備えて「保全」しなくてはいけないのですが古い施設は除外されていました。が、全部対象にする!と。③都道府県の入居者支援…ホームの倒産や業務停止命令の際には、入居者が困る!ということで、都道府県は引き続きサービスを受けられるよう援助せよ、と。(具体的にどうするかは?)④都道府県(政令都市等)は、有料老人ホームの情報一覧の公表を義務付け。これは現時点では自治体によりかなり差が大きい。東京や神奈川のように随時詳細情報を明示しているところもあれば、何年も更新されていない、もしくは名称・住所ぐらいの情報しかない、など。これこそ行政が積極的にすべきことです。具体性には欠けますが、この辺りは良い傾向かと。