第4回シニアの住まい講座<京都>

 1ヶ月半先のPRですが(^_^)、今年も4回目となる京都新聞ホールでの講座告知が始まりました。<超>基礎講座なので京都や関西周辺の方で「これから高齢者の住まいを勉強しよう」という方にお勧めです。昨今増えている「住み替え時に保証人や身元引受人がいない」という悩みのヒントに、今年は司法書士の坂西先生にもお話いただきます。私も坂西先生には以前からいろいろ相談に乗って頂いていますが、後見業務の実績が豊富でいろんな実例をたくさんお持ちです。講座では言えないような(笑)お話もたくさんお聞きしました。受講料500円という格安設定は、京都の有料老人ホーム事業者の方々に協賛頂いているからです。「ホームのいい話ばかりしませんから」(笑)と事業者の方々にはお伝えした上で、快諾いただいたところばかりです。定員300人はいつも早くにいっぱいになりますので、ご関心のある方はお早めに(^_^)/
≪申込先は京都新聞文化センターTEL075-213-8141

火葬難民…

 既知の通り介護職不足は深刻で、有効求人倍率は3倍以上、私の知るところも「介護職員不足」ために施設を閉鎖したケースも。一方で介護増の先にある「多死」も大きな課題です。以前も記したかもしれませんが、葬儀船が再検討されているとか。年間死亡数は2006108万人だったものが2014年に127万人弱、さらにピーク2040年には167万人と推測されています。そこで調べてみた(^_^)全国の火葬場数。実質稼働数でいくと1453ヶ所(H27年)。さらに都道府県の開きがすごい。最少宮崎県5ヶ所~最多北海道164ヶ所。中央値は2627ヶ所。最も大変なのが首都圏で東京26、神奈川20、千葉27、埼玉21。人口から考えると火葬難民の発生が懸念されるかと。そこで考えられたのが土地を選ばない海上を移動しながら火葬できる船ですが、発想がすごいですよね。実現するかどうか。ちなみにピーク時は私の平均的死亡時期でもあるようです(;’’)
※写真は火葬船に関係ありません

老人ウサワ話…

 日中、市営バスに乗ると、ほとんどが高齢層でデイサービスの送迎のような感じでした(^_^;)。耳に入ってきた後ろに座った2人の話。
「〇〇さんが老人ホームに入ってるけどお金が足りないらしいよ。
1ヶ月16万円って聞いてたのに実際は20万円かかるって」
(なになに?…興味津々耳ダンボ・笑)
「お風呂入れてもらって洗濯もしてくれるって、足していったら高くなるのかね」
(うーんそれはサ高住だろうか、住宅型有老だろうか、思わず後ろを振り返って解説してみたくなる・笑)
「でね、お金が足りない分は、甥や姪が
1万円ずつ足して払っているらしい。いい人だったしね、お世話になったからって言ってるらしいよ」
(ふむふむ、やはり甥姪には優しくしておかねばならんか…苦笑)。
 その後認知症になった方の話やスーパー老人の話など、面白い話をたくさんされてました
(^_^)。低ADLの高齢者を見かけると、ついついその人の生活状態を想像する悪い癖が出てしまいます…。

生活保護と介護

 2月下旬となり、あちこちで梅の花が開いてきました。これは京都御所の梅林です。花が開き始めると春の気配を感じられて気持ちも軽くなりますね(*‘ω‘ *)
 以前、生活保護受給の高齢者が増加しているという話を記しましたが、今月発表の
H2811月分概算では全数が163万世帯強。うち51.4%が高齢者世帯。さらにその91%が単身世帯。生活保護受給者に介護が必要になると介護保険から9割、生活保護法の介護扶助から1割支給されるので、自己負担はありません。65歳以上の人は生活保護受給者でも第1号被保険者になるのですが、4064歳で生活保護を受けている人は介護保険被保険者にはならないので、全額介護扶助で支給されます。表面的には同じですが、全く制度というもはややこしいですね。と、梅の話から大きくずれてしまいました(^_^)

混合しない介護で

 混合介護の話もしつこいですが(^_^)、昨日の公開討論会の概要が。「介護職員の処遇う改善につながる」との事業者側に対し、厚労省は慎重姿勢(ポーズ?)。「介護保険が適用されない内容を効率的に提供できる」と言いますが、ちょっと待て!です。提供できない内容に問題があれば、介護保険適用にすればいいだけでは。そもそも公的介護保険制度といいつつ現金給付制度、すなわち利用者は好きなサービス(固定内容)を選べ、お金は9割出してあげます、という形にしたからです。介護認定制度も疑問が多い。チェックシートと115秒~30秒程度と言われる審査会での判定。その人に何が不足するかという観点ではなく、介護度(数字)の判断。その認定に応じて決められたサービスに押し込む。人に必要なものを考えるのではなく、既存サービスに人を当てはめているととれます。それでも使えなくなっていく公的制度。もう頼りませんからお金も取らないでください、と言いたい(笑)。

任意後見制度を検討

  後見人制度の話も過去何度か書いておりますが、この資料は来週の講座での1枚です。今年は各地でお話している内容、「子どもが『法定後見人』に認定されなくなる傾向」をデータで表したものです。ご覧の通り、申立て(申請)は子が圧倒的に多い。実際の後見人は円グラフの通り、子の割合が非常に少なくなっています。これはこのデータの前年までの「子が最も多い」から劇的な変化。理由は、子による親の財産の管理がずさんなことが多いようです。従って、子による親の後見が難しくなりつつある。ただしこれは「法定後見」の場合。心配な人は、任意後見制度を利用しておくことを勧めます。申立ての理由は圧倒的に預貯金の管理・解約。昔と違って、「〇〇さんの子供さん」とわかっていても手続きは無理です。顔パスは効かない。仕事がら現役世代の介護の相談を伺っていても、この後見人問題が増えてきています。もひとつ気になる項目は申立人に次に多い「市区町村長」。これは身寄りのない人の場合、市区町村長に申立ての権限があるのです。ようするに身寄りのない独居認知症高齢者の増加を表しているともとれるかと…(未来のわたしかもしれません・苦笑)

高齢者施設の経営状況

 高齢者住宅への住替えで誰もが願うのは「経営の安定」。1ヶ月前の話ですが、東京商工リサーチの情報によると、昨年の老人福祉事業の倒産は108件で過去最多。前年の76件を大きく上回ります。一番多いのは老人ホームではなく、訪問介護事業。在宅介護者は困る。もちろん老人ホーム倒産もあります。年に1度京都の大きな講座のために京都府下の高齢者住宅・老人ホームの実態を分析しておりますが、1年前から消滅している有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅がいくつかあります。経営者変更はさらに多い。セミナー等で申し上げているのは、入居率の確認(従って新規OPENはあまり勧めない)、そして現場視察すること。おかしな施設は現場でたいていわかります。従業員の言動、入居者の様子、施設内の衛生環境…。あとは「情報公開」。我がオフィスには過去伺った施設から情報公開資料を定期的に送ってくださるところも多いです。隅々まで拝見しています。情報公開も重要なキーです。

高齢者住宅コンバージョン

 近所に市立美術工芸高校があり、レトロないい感じの校舎です。この学校が芸大と一緒に移転するとのことで、この校舎がどうなるのか興味津々。市内はドーナツ化現象で子どもが減少し、古き良き小学校が廃校、文化施設に転用されているところが多いです。これも良いのですが、個人的には高齢者施設に転用させてほしい(*‘∀‘)。改修は解体・新設するより高くつくかもしれませんが、高い天井や校庭の緑化活用など居住環境に悪くないと思います。教室1室を2分割にして自立高齢者が暮らせる1LDK程度の住宅にできないだろうか、職員室を団らん共有室にしたり…などなど構想(妄想)が膨らむのです(;’’)
 
日本は良くも悪くも建築の規制は厳しい。デンマークの転用は「それはダメでしょう」というような化学工場を住居にしたりというのもありましたがかなり自由。最低限安全性が確保できるなら汎用性を持たせていいような気もします。資源を大切に、有効に使いたいですね。

親は大切、でも一緒は困る?

 昨年公開の映画「お父さんと伊藤さん」を再上映で観てきました。息子と一緒に暮らしていたお父さん、突然主人公(娘)宅に住むことになるのですが、娘は20歳年上の彼氏と同棲中。元教師で堅物のお父さん。かみ合わない日々です。お父さんは子供時代の誰も住んでいない田舎の実家へ家出。娘と息子は連れ戻しに行くのですが…。親のことは心配、元気で過ごしてほしい。でも「一緒にずっといるのは困る」これって、多くの人が持つ本音ではないかと。お義父さんを見るだけで吐いてしまうほど嫌悪感を持ちながらそんな自分を責める兄嫁、押し付け合う兄妹、それぞれの想いが普通の日常を通して、とてもリアルに伝わる良作でした。お父さんは突然有料老人ホームを契約して家を出ます。逡巡した後、娘がお父さんの姿を追うところで終わる。この続きは読者が判断せよ、でしょうか。それにしてもリリー・フランキーさん演ずる彼氏伊藤さんがなんとも良い味(*‘ω‘ *)。一家に一人ほしい人かも。皆の気持ちが少しずつずれている、同居をめぐって親子の考えの違いは日本独特のものがあるような気がします。

居住空間は相対評価ではない

 昨日に引き続き文献からの話です。介護保険が始まる前など、特養ホームは8人部屋など大部屋が確かにありました。文献によると、1966年に制定された老人ホームの基準は、1室あたり定員が養護老人ホーム4人、特別養護老人ホーム8人(各以下)とされていました。特養ホーム8人も驚きですが、基本的に自立の高齢者(身寄りがない、低所得等)の入居する養老ホームで4人定員とは…。この根拠法「老人福祉法」は「生活保護法」がベースになっているため、その「最低基準」が適用されているようです。
 諸外国ではあまり聞かれない日本の慣習が「劣等処遇」。ようするに、(頑張って?)自活している人の最低限の生活より保護を受ける人がいい生活ではいけない。だからもっとひどい状態で
OKというものですね。1971年には養老ホーム入居者による「11室入居訴訟」が起こされていますが、地裁は棄却しています。憲法第25条の「健康で文化的な最低限度の生活」の考え方の差の大きさを感じてしまいます。現在はかなりマシになったと喜ばしいものでもありません。まだまだ「人間」の住居としては納得いかない部分多くないですか。