看取りとは…

 2014年公開の映画ですが再上映があったので「サヨナラの代わりに」(原題:You’re not you)を観てきました。高齢者ではなくALS患者の話です。最後の場面はいろいろ考えさせられました。主人公は意識も朦朧とする中病院から家に帰ることを望む。家族は人工呼吸器をつけての延命を望む。でも法律的に意志を託していたのは、介護アルバイトで雇用してた女子学生。自宅に帰る選択をし、衰える姿に夫は「見ていられない」と泣く。主人公は死期を悟ったのか、その夜部屋に入るなというのですが、女子学生は苦しむ声を聞いておられず、ベッドに寄り添い最期まで支えます。強い意志と精神面がなければできないことですが、果たして彼女が他人だからできたのか。家族はできないのか。自宅で自然死を望む本人、管に繋いで延命を望む家族、誰のためなのか。すすり泣きの館内でしたが妙に冷静に考えてしまった私でした(;’‘)
 延命の是非ではなく「本人の希望」をどう捉えるのか、を考えてしまいます。それはどうしたら実行できるのか。色々な議論があるのは承知ですが、世の中が難しい議論にしてしまっている気もします。周りの人の考えは「誰のため」なのか…

工事不要のリフォームも

 週末ラジオ番組出演時に、高齢者が自宅内で一番事故を起こしやすい場所3択クイズを出してみました。「事故死」ではなく、事故の頻発場所です。①階段 ②台所 ③居室(自室) どれでしょう? 
 公開生放送の大勢のギャラリー(全員高齢者)の答は、①がゼロ!②が少数、③がほとんどでした。正解そのもの
(^_^)/ ということは、皆さん結構自室でつまづいたりしているのでしょうか。居室45%とダントツです。パーソナリティの90代早川先生ご自身も「ベッドから起き上がった時の転倒が多い」とのこと。老人ホームでもこのケースは多い。家庭内の転倒防止には、リフォームや工夫で予防できます。賃貸住宅でリフォームが難しいという場合は、据え置き型や垂直型(天井と床に固定)のしっかりした手すりもあります。他にも
人感センサー足元ライトをつける、躓き防止スリッパ(足先が上がっている)を使う、まず床にものおかない(^_^;)、配線は束ねてカバーする、などちょっとした工夫が結構効果あり。これらは高齢者に限らず、ですね。公営住宅はバリアフリー工事をしてくれる場合があるので、窓口で確認してみてください。

年金減額?

 今日ニュースによると、2017年度の年金額が引き下げられるとのこと。国民年金満額で月67円、厚生年金で平均227円の減額で大きく影響はないかもしれませんが、去年の消費者物価が0.1%減になったことが原因です。しかし市井の一般市民として生活してますと物価が下がった実感ないですが(^_^;)。むしろ食料品は上がっている感がぬぐえません。
 アベノミクス効果で、いわゆる大企業の賃金の伸び率はいいようですが、国民の多くを占める中小企業の伸び率はそれほどでもなく、結果的に賃金格差は拡がっているとの話もあります。所得格差を示すジニ指数は再分配所得で格差は縮まっているというものの、社会保障の応益負担を考えるとそう思えません。
2011年の日本のジニ指数は0.554で再分配後は0.3790に近いほど平等、1に近いほど格差大)。再分配とは税金の配分などで再度国民に還元(高所得→低所得)されること。一般的に0.5を超えてくると暴動が起こるレベルとか(・.・;)。老後の心配は結果的に現役世代の不安にもつながります。予測のつかない昨今ですねぇ。

適切な住宅へのアクセス

 昨年から大学で社会福祉学を学んでいますが、3年生編入なので早速卒論に取り組まねばなりません(^_^;)。ようやくコンテンツをまとめたところですが、テーマは当然高齢者住宅に関するもの。多くの文献を読み込まねばならず、これがホントに勉強になります。知らないことだらけ(;’‘)。そのひとつに「国連人間居住会議」があり、1996年の第2回開催において人間の居住に関するイスタンブール宣言とハビタット・アジェンダが日本を含め全参加国で採択されました。その中に『すべての人とその家族が手ごろな価格で、適切な住宅へ平等にアクセスできることの法的保証を確保するため、あらゆるレベルにおいて、公的機関・民間団体、非政府パートナーの積極的な参加を求めねばらならない』とあります。この「適切な住宅」にはさらに細かい要件が羅列されていますが、果たして実態はどうなのでしょうか…。安全性、十分な空間、環境の質、などと並んで最後に「すべて低コストで利用可能である」とあります。昨年10月に第3回会議があったので進捗をチェックしてみると、防災などが中心でいまひとつ一般国民の安定住宅への繋がりが不明なような(・・;)。「格差問題」は世界中で言われることですが、本気度がまだまだと思わざるを得ないですね。

人間とリフト

 介護用リフトも過去何度か取り上げましたが、なるほどな記事を見つけました。人が何かを「持ち上げ」には筋骨格損傷のリスクがあるが、国際的な基準では例えばトラック運転手が荷物を運ぶとき、25kg以下に制限された手順や技術革新が整備されているそうです。しかし介護業界では人の介助で持ち上げる際、25kg以下の人は少ないので、相当な負担がかかっているということです。欧米では介護職員が安全に持ち上げられる重量は16kgと推奨されているとのこと。欧・豪などの高齢者施設に行くと法律で必ずリフトを使わないといけないと言っていました。日本でもリフト推奨と言われていますが、なかなか現場には定着しません。賛否両論あり一概に善し悪しは言えませんが、介助される方にもトライしてもらって検証してみてはいいのでは。海外では違和感ない、というより「リフトの方が怖くない」という意見も多いようです。特に老老介護が増える中、使いやすいリフトがあれば在宅の可能性が大きくなります。ちなみにこの写真は数年前豪州で私自身が被験者に(;’‘)

これも老老介護

 先日鴨川を散歩しているときの風景。80歳前後と思われる男性なのですが、押しているのはシルバーカーではなく小ぶりのベビーカーです。中にいるのは老犬。この話ももう10年位前からときどきブログには書いている話ですが、歩けなくなった老ペットの散歩に乳母車やベビーカーを改良して使っている高齢者をよく見かけます。この姿をみるたびにとても切なくなるとともになんだか温かい気持ちにもなります。もう動けないなら家の中で過ごすのが普通でしょうが、外の空気に触れさせてあげたいという気持ちがしっとりと伝わってきます。
 高齢者住宅への住み替えを希望しているのにハードルとして「ペットを見送るまでは引っ越せない」という人も少なからずいます。ホントに家族なのですね。高齢者住宅でもペットの受け入れを検討してもいいのではと感じます。オランダ視察の際にも書きましたがペットは高齢者住宅内で家族として一緒に生活しています。もちろん条件や住居の調整は必要ではありますが。大学で社会福祉学を勉強していると、『命』というものに今さらながら重みを感じています。人間だけではないですよね。

介護離職ゼロどころか…

 昨日の新聞によると、東京商工リサーチ調査では「介護離職が増える」と考えている企業が71.3%と載っていました。調査対象5277社に対し過去1年間の介護離職が9.8%。発生率は中小企業より大企業のほうが高い。
 過去何度か記載しましたが、私自身この数年で現役世代向けの「親の介護」セミナーが非常に増えてきています。長らく行ってきた従来のシニア世代対象老後セミナーと似て非なるもの。緊迫感が全く違うのです。まさしく介護の個別性を実感するわけですが、介護度が同じだからといって同様の介護はできません。ひとりひとりが大きな悩みや困難を抱えている。国は何でも全体データから判断しますが、統計が多い少ないが問題ではなく、ひとりひとりの困難を解決できるよう対策しなくては。障害者福祉第一人者の故糸賀一雄先生は「この世の中には全体としてどんな繁栄があっても、その中に不幸に泣く人がひとりでもいれば、それは厳密な意味で福祉が欠けた社会といわなければならない」と仰いました。「介護離職ゼロ」をあげる国が全く逆方向の介護保険改正に向かう矛盾をどう考えるか…。

2017年の介護報酬改正

 介護保険の次期改正は2018年ですが、2017年度前倒しの一部改正がいくつかあります。そのひとつが処遇改善に関わる介護報酬改定。一般市民にはわかりづらい内容ですが、超簡単に言うと介護保険サービス利用時の値上げ、ということ(;’‘)。介護現場で働く職員のお給料を上げて少しでも待遇を良くして、離職防止や就職希望を増やすためです。それはとっても良いことですが、保険財源からだけでなく利用する人にも負担してね、と。
 この加算の仕組みはわかりづらい。しかし、利用者との契約書(重要事項説明書)には必ず記載されている内容、利用者はちゃんと確認しているでしょうか?そして事業担当者はきちんと説明できているでしょうか?介護事業者の介護報酬不正請求にはこれらの計算がおかしかったりするところもあります。正しい介護を受けるには、受ける側の学びも大切ですね。
 さて加算の改定率ですが、事業によって幅が大きいです。最も加算
1が大きいのは訪問介護、夜間対応、定期巡回などの13.7
%。そして認知症デイ、小規模多機能、グループホームなどが10%以上と大きく、訪問ヘルパーの不足の現実、今後力を入れたい事業が明確に出ていますね。職員確保にどれだけの効果があるか、果たして疑問ですけど…。

介護業界の働き方多様性

 不覚にも風邪をひいてしまいました(>_<)。今週連日セミナー講師の仕事が続いているのに、関係の皆さまには本当に申し訳ないです。といって熱があるとか体調が悪いというわけではなく、当初は「早い花粉症?」と思ったほど、鼻水とくしゃみでしたが、ちょっと咳と鼻声が…。思えば毎年お正月明けに軽い風邪をひいています。気のゆるみですね。まだまだ修行が足りぬ。高齢世代も冬シーズンはインフルエンザやノロといった感染病が脅威です。オーソドックスですがうがいと手洗いが初動防御です。
 朝刊を見てますと「週休
3日」企業が増加しているとか。介護業界でも4日勤務、3日休みということろがあるそう。1日10時間×4日なので1日の勤務時間は伸びますが、残業していることを思うと集約してしまうのは一つのアイデアですね。3日休めるとリフレッシュ度が上がります。特に介護業界のような心身ともに疲労度が高く、自身の心のケアも重要な職場にはいいのでは。ぜひ離職率や職員のアンケートなどデータ化して効果を検証してみてほしいです。
 今日のセミナーの様子を撮影してもらいました
(^_^;)。「老人ホームの見学をしたことない」という方が半数も。第1歩は「見る」ことからです。

相談窓口の必要性

 昨日は大阪で今年初のセミナーでした。京都は残雪相当残っているのに大阪はからりと晴れで暖か(^_^)で、たくさんのシニア世代がご来場。最新の介護保険改正案なども混ぜながら解説しました。終了後は数人の方から質問や相談があり、仰る通りの課題が多いと感じます。まずもって「介護保険の動向や高齢者施設の情報など一元的に教えてもらえるところがないのか?」。これはもう十数年前から何度も聞かれることですが、役所窓口ですら改正後の通達があってこそ初めてわかるようです。まして高齢者施設情報などは、担当者が随時変わってしまう窓口では把握できているはずがないですね。役所勤めだったという方も苦笑いされていました。また、お知り合いが入居されているホームの運営状態に対して不信感を持つ方のお話もお聞きしました。経営が変わったところですが、それですぐに全て改善されるわけではないので難しい内容です。誰もが他人に悪事を働きたいと思っているわけではなく、むしろ役立ちたいと考えているはずなのに、旨く回らない社会。流れを変えることができれば、少しは良くなると思うのですが、抵抗水流もなかなか手ごわい( ̄д ̄)