「老後」はいつ?

dsc05947 土曜日は京都新聞ホールでの講座でした。アンケート集計を拝見すると80代のご参加者が約20%といつもよりかなり多いのと40~50代が約17%とやはり多い。最も多かったのは70代ですが、どこでセミナーや講座をしても一定の人数以上になれば年代配分はほぼ同じくらいになるのが常です。今回はいつもと違いました。
 アンケートのコメントで気になったのが、80代の方々「将来の老後のために」と書いている方が多い(^_^;)。しかもアンケートは〇代にマルをつけるだけなのに、わざわざ86歳とか87歳とか書いてくださって(^_^;)。ただ、自由コメントの文面を拝読すると、重説やホーム運営ご担当者の説明を理解するにはかなり労力を要するのではないかと感じます。今までのご経験からの思い込みや自己判断もコメントから読み取れます。あえてそこに反論するつもりはないのですが、ただただ心配です。80代の方も『将来は』有料老人ホームに住み替えたいという希望のようですが、個人的感覚としては遅すぎる入居は逆にやめてご自宅にいたほうがいいかもしれません。
 日は変わり、今日午前中はまた違う場所での講座がありました。土曜日もそうですが、若い年代(この場合40代とか50代)の方々は親の介護と同時に自分の老後もかなり心配されている。確かに若い人ほど、将来の社会保障はずっと厳しくなるのですが今から心配しすぎてもあまり意味がありません。どう変わっているかわからないですから。しかし80代はあまり心配せず(?)40-50代が老後をもう身近なこととして心配しすぎている(;’∀’)、混沌社会を反映しているようにも感じます。

よくわからない制度が多い

1024 個人的なことなのですが(^_^;)、明後日は大学の試験です(-_-;)。仕事と勉強のバランスに苦しむ毎日。しかし、社会保障や制度を勉強していると(しなくてもですけど)矛盾やおかしなことにいっぱい気付きます。以前にも書いた記憶があるのですが、公的介護保険の介護サービスは現物給付ではなく現金給付。「どっちでもいいじゃない」と言えないこともないですが(^_^;)、実は重要。保険制度が始まる前は介護は「措置」(現物給付)で自治体の責任のもとで提供しているものでした。明らかに責任は自治体(国)にある。しかし現金給付にすることは、サービスの契約は自分とその相手である事業者との責任のもとで、お金の補助だけ公的にするよ、ということ。事業者への一定の規制は国や自治体で行っていますが、最終的なトラブル解決は自分たちの責任となるのです。面白いことに、社会福祉史を勉強していると古代から政府は極力国民に対する「責任逃れ」になるよう努力していることが窺えます。
 さらに、2005年から特養ホームなどで居住費・食費が自己負担となったわけですが、このとき確かに「ホテルコスト」という名称を使って厚労省は説明していました。なんだか違和感をもったまま聞いていましたが、なるほど。言い分としては『介護保険施設は介護を公的に提供するけど、泊まるのとご飯は介護じゃないでしょ、ホテルと同じ』ということだったようです。ホテルコストと表現することで、なんだか説得力あり(苦笑)だったようです。国の各種資料を見ていると、最近特にカタカナが多く『なんだかわかんないけどそんな感じ』みたいに目くらましされているような気になります(^_^;)。
 …など言いつつ、実はこの社会福祉史は前回の試験落としました。゚(゚´Д`゚)゚。。明後日は再試験。さらにほかの試験科目もあるので、落ちる都度試験数が重なり首を絞めているのでございます…

在宅のコストは安いのか?

1027 この写真は、週に1回和歌山の工務店さんから送ってくださるものの一部です。今月初めから実家をリフォーム中、仕事の関係上なかなか実家に行けない私のために、ご担当の方が毎週進捗を写真にして報告してくださいます。2月頃から細かい点まで何度も調整してようやくです。工務店さんもうるさい私(^_^;)によく付き合ってくださったと感謝です。
 以前から何度か書いてますが、実家は築80年越で超旧式家屋、途中何度もツギハギ改修してますがもういっそのこと建て直したほうがいいくらい(;’∀’)…。まだ自立で元気な母が一人暮らしながら、なんで今回早々に着手したかというと『予防』です。渡り廊下があるもののトイレが離れで遠い。いずれ数年のうちにこれが家庭内事故につながる可能性を考え母屋に増設することにしました。でも必要以上のバリアフリーはしません。身体機能を弱らせてしまうので。従って今後身体状況の弱り具合に合わせて数回にわたる改修が必要かも(or ないかもしれない)。
 このあたりは昔「福祉住環境」の資格取得のための勉強をしておいて本当に良かったと思います。仕事先の方も以前在宅希望の親(要介護)のために住宅改修したら千万円単位になってしまい、施設住み替えのほうが良かったと苦笑いされていたこともありました。費用だけ考えたら、私も住替えのほうが在宅より安くつくケースは少なくないと感じています。ただ、我が家は無理。母の性格上集団生活は絶対無理(^_^;)。超田舎なので周辺には適切な施設もないですし、強固な地元の人間関係があります。子世代は「安心」のために親を引き取るケースがありますが、それは充分考慮したほうがいいでしょう。環境を変えることがものすごいストレスになりうることも。結果全く安心どころか大きなリスクを背負うことにもなります。高齢期の暮らし方というのは、場当たり的に考えるのではなく、最期までを予測して早いうちに十二分に検討すべき、と思っています。

介護保険に注目しがちだけど…

1026 朝刊の中面記事に長年話題の専業主婦控除の件が載っており、この是非はおいといて(^_^;)、給与所得控除と公的年金控除の縮小の件。
 サラリーマンを辞めた身としては、今さらながら「給与所得控除」の偉大さを痛感していて、実はすごい仕組みだった(笑)。でもこれを縮小しようという案が出ている。そして詳細はまだ不明ながら公的年金等控除も縮小とさりげなく書かれています。給与所得者はそれなりの月収の人もいます。でも公的年金は厚生年金でも平均月額が約14万5千円。年収にすると173.8万円です。働く世代だとかなりワーキングプアになりますね(^_^;)。そこで65歳以上の高齢者は公的年金控除が最低120万円(年金額が高くなれば控除額も上がる)。基礎控除と合わせると基本は158万円以上の人が所得税が必要になるということです。この公的年金控除額を縮小しようかという話。記事では全体を下げるのか、高所得者の控除率を下げるのかわかりませんが、もし全体(最低額)が下がるとなると、この低い年金額にさらに税金をかける率を増やすというのはどうなんだ、と思ってしまいます。
 もちろん高齢者だけでなく働く世代も、基礎控除縮小と言われてもピンとこないかもしれませんが、ようするに税金上げますよ!の話。社会保険料が上がることばかりに目が行きがちですが、こういうところもしっかりチェックしておかないと。
 それにしても高齢期、もともとかなり低い収入から非消費支出(税金や公的保険料)は増え、年金は減るって、高齢期どう生きて行けばいいのやら…┐(´д`)┌。「まだ高齢期でないから」って思う方、いやいや、将来の老後はもっとひどい状態になってますよ(;’∀’)。

押し付け合いは痛み分け?

1 昨日は神戸でシニア世代向けセミナーでしたが、70分の本番セミナーのあとのプチ分科会としての質疑応答がとっても盛り上がってなんと気づいたら90分も経ってました(^_^;)。皆さんの質問レベルも高く、お応えするにも頭フル回転(;’‘)、まるでアメリカの大学の熱血ゼミのよう(笑)。その終了後も個別に数人とお話したり、とても有意義な時間を過ごしてきました。ご来場の皆さん、お話をたくさんさせていただいた皆さん、ありがとうございました。
 話は変わり、先日の社保審介護保険部会で経団連がもう現役世代の介護保険負担はイヤだ、利用者の自己負担を増やすべきだと答申していることを書きましたが、今日の朝刊にはお互い痛み分けでどうかという歩み寄りの姿勢が表明されていました。このあたりは着地点かと思いつつも、冷静に根本的に考えてみると、そもそも介護保険として成り立っていない現実があるのではないだろうか(前々から言ってますが)。保険方式の限界だと感じます。介護のリスクは一般的な病気リスクと異なります。そろそろ根本的な見直しとして応能負担の税(公費)方式を再検討してもいいのでは。企業さんも保険負担はいやでも税金なら納得いくのでは
(^_^;)?といって、法人税軽減が叫ばれる中、結局いずれにしても難しいでしょうか。ああ、国が貧乏っていやですねぇ(;’∀’)… 

逆優良誤認では

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 今日はこれから神戸でシニア向けセミナーに参ります。その前にBlogをUPしてから…。
 このような表示は、分譲シニアマンションの広告やチラシでよく見かけます。でもその都度「優良誤認」あるいは「逆優良誤認」を含んでいるのではないかと強く感じるのです。私のセミナーでは、個人的見解と言いつつ(^_^;)、分譲型シニアマンションの問題点も解説しています。過去消費者センターさん主催でも高齢期の住み替えセミナーをしましたが、実際分譲シニアマンションの相談は消費者センターにも多いのです。
 この写真からの大きな違和感。どうして有料老人ホームは生活の自由がないのでしょうか?私は今まで700ヶ所程度の施設を視察してきていますが、介護専用型でさえ「外出許可がいる」なんてところを聞いたことがありません(お知らせしてというのはあるものの)。24時間原則出入り自由です(もちろんセキュリティのための施錠はあります)。サ高住にしても同じです。サ高住は賃貸住宅、なぜ自由が制限されるのでしょうか。そもそも、分譲シニアマンションが、「介護型」の施設と比較しているところに大きな優良誤認があると言わざるを得ない。あるいは、有老ホームやサ高住の逆優良誤認とでも言いますか。同じ土俵で比較するのが筋でしょう。見守り・介護・健康支援において自宅が×というのも失礼な話です。「所有権」確かにその通りですが、これに苦しむ人が多いから相談が増えているのです。このようなセールスには、正直個人的には怒りを感じます。もし高齢者にこの図の通り口頭でもセールスしているなら、問題ではないかと思う次第。最終的にはご決断する本人であるものの、正しい情報を提供してほしいものです。ヽ(`Д´)ノプンプン。という話を今日も織り交ぜてきます( `ー´)ノ

企業の福利厚生

1021k ここ数年、企業内福利厚生としての「介護セミナー」の仕事が多くなりました。今年は例年より多く、従来の高齢者向けセミナーのお仕事を凌ぐ勢いです。しかし、子の立場で親の老後や介護についての話をお聞きするのもとても貴重な機会です。親の立場、子の立場、同じ方向を向いているとは限らないとつくづく感じることも。人生の価値観をどこまでお互い認めるか、今後さらに必要な考え方だと感じます。
 国は介護離職ゼロと言いつつ、大いに矛盾した施策のオンパレードですが、各企業の取り組みは先行して「おおっ!」と思うものもあります。本当に従業員に対しよくフォローされているところもあります。しかし、これは大企業ならではの取り組みとも言えますね。中小企業には体制的・資金的に厳しい。さらに私のような個人事業主には全く何も保障がありません(^_^;)。
 高齢期の暮らしを支える保障制度は、国を頼るというより、自身の暮らす自治体の力が今後ますます重要になります。子世代は働く企業の力、ですね。社会福祉学を勉強している身としては、社会福祉の歴史を考えるとどうも後退している日本です。自助を補うのが公助ではなく、公助がベースにしっかりとあるからこそ、自助ができるというのが本来の社会福祉の考え方。介護の現場、働く世代の現場、高齢者本人、いろんな立場から見えてくるもの、多いです。今日はこれから名古屋でシニア世代向けセミナーです(^o^)丿

押し付け合いと矛盾

10201 介護保険改正案も大詰めで、社会保障審議会介護保険部会の開催頻度も高くなってきました。昨日の資料がUPされているのでざっとチェック。私が傍聴した先週も話題に出たのですが、次期改正での「利用者負担」をどうするか、という件。昨年の改正で、一定以上の年収がある人は介護サービス利用時に2割負担となりましたが、次回改正としては年齢で区切る案(前期高齢者は一律2割など)、軽度要介護者の負担率を上げるという案などがあり、最近では軽度要介護者がクローズアップされているようです。
 先日も書きましたが、「軽度」をどう定義するかに関しては厚労省は「定義しない」と明言していました(でも、しないとルール化できないですよね)。財務省は要介護2以下と明言しています。しかし、委員からも指摘がありましたが、仮に要介護2の負担が2割で要介護3が1割となると、誰もが「要介護度が重くなりたい」と願います。これは制度に非常に矛盾している。一方で事業者への報酬は要介護度改善や現状維持率が高い場合は加算の検討など矛盾。あちこちツギハギな改正をしていると、とんでもないことになっていくのでは。
 今日の朝刊にも大きく載っていましたが、大企業に勤める第2号被保険者の保険料負担を増やす(総報酬割)は猛反対があったようで(^_^;)、これまたどうなるやら…。産業界は「利用者の負担を増やせ」と。もうこなってくると費用負担の押し付け合いです。うーん、どうなるやら…

訪問介護の今後

1019 先日、社保審の介護保険部会傍聴に行ってきた話を書きましたが、その中で気になる話のひとつを取り上げてみます。訪問介護(ヘルパーに自宅に来てもらう)の場合、ヘルパーは旧ヘルパー2級以上の有資格者でしか対応できません。介護関連のデータを見ていても、どこも人材不足は当然ながら施設系よりも在宅系の不足感が圧倒的です。
 先日の資料では、訪問介護ヘルパーの平均年齢52.7歳、60歳以上が3割を超えているとのこと。訪問介護の仕事は特に若い人がやりたがらないそうです。しかしこのまま推移すると、訪問介護ヘルパーの高齢化も問題になりそうです。また、現在もずっと議論されている訪問介護の中の生活援助(家事支援)ですが、国はこれをなんとか介護保険から切り離したい(-_-;)。そこで比較で出してきたデータを見てびっくりしていたら、さすがに委員からも指摘がありました。
 それは、いわゆる民間の家事代行サービスは最安値が925円であると。介護保険の生活援助は25~45分で1割負担だと187円であると。それを比較して「著しく割安となっている」と資料に明記されています。これにはびっくり(◎_◎;)。そもそも比較対象としておかしいでしょう!こんなところにまでなりふり構わず話をこじづける国の姿勢には不信以外の何物もありません。委員の方々の多くが「生活支援と家事代行は全くのベツモノ。生活支援は『生きていく』ための必須の部分。そうではないものと分けて考えるべき」と発言されていました。ある意味、このように審議が公開されていかないと、本当に怖いと感じます。私たち国民は、国の言いなりになっていてはいけない!ということですね。しっかり政治の行方を追いましょう。
 今日はこれからセミナーのWヘッダです(^_^;)。越県して2ヶ所頑張ってきます。

お風呂事故と習慣

1018 この画像は、BBCニュースからキャプチャ拝借してしまったのですが(^_^;)、今朝チェックして「日ごろの地域との習慣的なかかわりって大切だなぁ」と思った次第です。
 86歳のおばあちゃん、自宅のお風呂から出られなくて4日後に救出されました。おばあちゃん、ランチと1杯のワインを週4回、近所のレストランに行っていたとのこと。ウェイトレスさんが「しばらく見ない」と気づいて警察に連絡し、お風呂で動けなくなっていたのを無事発見されたということです。膝をねじって動けなくなったそうですが、「もしウエイトレスさんが気付かなければ」「もしおばあちゃんが習慣として同じレストランに通っていなければ」と「もし」がなかったら助かっていなかったかもしれません。高齢期の入浴の危険性は、ブログ等でも何度も書いているのですが、万が一のことがあると助かるものも助からない可能性があります。お元気な人向けの自立型有料老人ホームでもほとんどの人が自室のお風呂を使わず大浴場を利用しています。老人ホームなどの場合は、何かと気付いてもらえますが、一人暮らしの場合は難しい。おばあちゃんの例からも、気軽にコミュニケーションのとれる場所って高齢期大切だと感じます。
 ちなみにこれをきっかけにウエイトレスさんも時々おばあちゃんの家に様子を見に立ち寄っているそうです(^_^)。ほほえましい、れこそ「地域コミュニティケア」ですね。