日本とは思えないゆとり

930 今日は福岡に来ているのですが、お伺いした介護型有料老人ホームのゆとりに驚きました。日本とは思えない(^_^;)。フロアの配置図を見るとわかりますが、2部屋ずつ配置しているので、各部屋は窓が2方向にとられていてとても明るい。約25㎡の部屋は北欧の介護施設のように、シャワースペース、ミニキッチン(IHヒーター付き)も配置され、ベッドを置いても家具をそれなりに配置するスペースがかなり残ります。ユニット型で、9部屋ごとに広いデイルーム(リビング)とキッチン、いす&テーブルが配置された中庭。グループホームではありません(^_^;)。日本で見てきた介護型施設の中では建物的には一番すごいかも(個人的に)。介護体制も看護師24時間配置、介護職員は1.5:1の配置とかなり手厚くなっています。価格はそれなりに…ですが、首都圏で同レベルなら入居金は3倍以上はするのではないかと。日本でもできるんですね、こういうゆとりのスペース、良い視察となりました。

子世代同居は大丈夫?

929 昨日に続いて早川先生のご本の話です。ユニークなエピソードがありました。日本では二世帯や三世帯同居は昔に比べ減っていますが、高齢層の方々には「子どもとの同居」を願うケースもあります。イギリスの某団体が「子どもの家族が一緒に住もうと言ってきても引っ越しには用心せよ」と警告しているパンフレットを作っているとか(^_^;)。
 先生は「私たちにとっても参考になる」と(^_^;)。簡単に述べると…
〇子の家族が全員賛成しているのか?年寄りと若夫婦では考えや生活、食事も違う 
〇平和で静かに暮らしたいと思っても家族は子守や何かを期待しているかもしれない 
〇医者、歯医者など自分の体を良く知っている医者から離れることに不安はないか 
〇福祉サービスは自治体によって大きな差がある 
〇見慣れた風景やお店、飲み屋で親しい顔が見えなくなり寂しくならないか 
〇新しい町で生活費が増えないか 〇趣味を続けることができるか 
〇バスや電車など交通の便はどうか 
〇家族が仕事の都合でまた引っ越しになったとき再び引っ越しできるか 
等々、他にもあります。このチェックに限らず、高齢期、住み慣れた場所からの引っ越しには様々な弊害があります。先生もご老母を奈良から東京へ引き取った際、どんどん状況が悪くなり大きな後悔をされていました。高齢期の住み替えは、若いときより環境変化に厳しいということを理解しておいた方が良いですね。

福祉とは「幸せ」という意味

928 元神戸大学教授の早川先生のご本をこの数日読んでいました。2冊ほど読みましたが、とても共感しました。いくつもの特筆すべきポイントがあるのですが、「居住福祉」という考え方。まさしく日本だけに“ない”と感じます。
 今までも、欧州などの例をあげてきましたが、先進国では日本だけ住宅補助制度がありません。さらにまともな住宅計画(戸数)も作ってこなかったため、空き家が15%にも近づく事態になっている。そして今また高齢者住宅で同じ轍を踏もうとしているように感じます。
 高齢者住宅のことは置いといて(^_^;)、日本は経済発展を重要視したため、住宅事情は市場に任せたままになっていたわけですね。先生は、居住は人権であると仰いますが本当にその通りです。どんなにお金があっても健康でも、落ち着く住まいがなければ幸せにはなれない。福祉という言葉は本来「幸福」という意味なのだそうです。だから居住福祉。日本は持ち家率が世界中でもトップクラスに高い。建築業界の営業もあるからですが(^_^;)、ひとつには賃貸では一生安定した暮らしができないかもしれない、という不安の表れでもあるでしょう。高齢者、母子家庭、外国人など一定の層は賃貸拒否されることもあります。生きるもっとも根源的な部分をきちんと保障されていない日本は、結果的に高齢期に非常にダメージが大きい。住宅補助制度があれば、民間の高齢者施設に入れる人は多くなるはず。個人的には、ある意味介護保険をなくしても住宅補助を作るべきと思ったりしております(重度の介護者には措置で介護を)。サ高住を作るために、家主に補助金を給付するのではなく、入居者にするのが本来の筋だと思います。

外国人介護職の是非でなくプロセスが

927 今日の日経朝刊トップは、外国人労働者受け入れの記事でした。人手不足の分野での受け入れをするため、法整備を目指すいうことです。この是非は申しませんが、違和感があるのは否めません。
 2008年にスタートしたEPAでの介護士や看護師の受け入れはハードルが大変高く、日本人と同じ国家試験をもちろん日本語で合格しないといけない、というものです。これまでに少しは受験しやすいように漢字にふりがなをつけたり、試験時間を少し長くしたりということはありましたが、逆の立場で我々が海外の専門職国家資格を合格すると考えると、非常に困難なことだとわかります。合格者は累計402人(介護福祉士)。
 厚労省は、この制度を始めたとき「人材不足を補うものではない」とHP上にタカビー(^_^;)な上から目線で記しておりました。でも、当時すでに先進諸国はアジア圏の優秀な介護人材を高いアドバンテージで受け入れていました。カナダなどは確か介護職で2年働けば永住権付与だったと思います。日本は何も対策打たず、もう限界というときにきて「規制を緩める」。10年前から将来を見込んで、国家資格にこだわらず制度を整え日本の介護を学べる仕組みをきちんと作っていれば、ずいぶん違ったと思います。EPAで来られた外国人の方が勤務している施設で非常に戦力になっている話を聞きました。アジア圏で訪れた介護施設での職員の優しさも実際目にしているので「外国人だからダメ」とは決して思いません。
 問題は、日本の受け入れ態勢の考慮のなさではないか、と。従って今回の付け焼刃で問題なく進むとは到底思えないのですけどね┐(´д`)┌

難しい…どこの施設がいいか?

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「どこの施設がいいか?」は、本当によく聞かれることですが、先日ある有料老人ホーム運営企業の幹部の方とお話していて、なるほどと思ったことがありました。
 その企業では、「ホーム入居の社員割引」
(^_^;)もあるそうで、利用されている人も多いそうです。現場の介護職員の親も入居しているとか。これは施設の状況を把握するには、結構ポイント高いかも。現場の人間が「ここはちょっと入れたくない」と思うところに親を入れることはありません(しかし、過去には現場職員インタビューで「ここだけは入れたくない」と言われたケースもありました!)。私もこれからこの質問をしていこうと思います( `―´)ノ。
 
もうひとつ今日の話題、国交省はサ高住の情報開示を「介護施設」なみに強化するとか。サ高住はもともと自立した高齢者が早めに住み替えることを目的に制度化された住まいでしたが、フタをあけてみると90%以上は介護施設になってしまっている(-_-;)。有老ホームに比べ規制の緩いサ高住は、その品質格差が前々から問題視されていました。ここにきてようやくか…と思いますが、いっそのことサ高住ではなく有老ホーム(介護付・住宅型)に一本化してはどうか。縦割り行政の仕組みが結果的に国民の困惑や迷惑に繋がっている<(^´)>。サ高住の情報開示サイトを作るらしく、これにまた何億円と投じるのでしょう。根源を辿ればおかしなことがいっぱい…

決心が難しい

923 今年の9月はなんだかお天気がすぐれませんね。今日は横浜の有料老人ホームでセミナーでした。
 ホームランチを一緒にとった女性高齢者3人と楽しい会話がありました(^_^)。皆さん、ご主人を亡くされて一軒家で一人暮らし。お子さんがいても離れているし、将来の介護が心配(子供の世話にもなりたくない)。自ら元気なうちに住み替えをしたいという希望は大きく、予算も試算しているようですが、一番のハードルが「決心」だとか(^_^;)。私は中立立場ですから、住み替えを良しとも悪しとも言いません。判断は自分でしかできない。それぞれの状況やその裏にある迷いはいろいろ。でも明るく語ってくれました。中でおひとり、一番心配なのは「入浴」だそう。入浴中の高齢者の事故が非常に多いので、お風呂に入るときは決死の覚悟(苦笑)で、万が一お風呂で事切れてもいいように、電気やガスなど全部止めて入っていたそうです。しかしそれも面倒(^_^;)。そこで思いついたのが、近所の銭湯に行くことにした、と。これには他の方々も「それいいね!」。なるほど。有料老人ホームの自立型には自分の部屋にお風呂がありますが、多くの方は共同の大浴場を使います。その安全志向と同じですね。ご婦人たちが最善の選択をされるよう祈ってます(^o^)丿

万国共通?ピクトグラム

921 大学の勉強で「福祉住環境」の科目があります。かつて福祉住環境コーディネータの資格試験のときの勉強を思い出しながら取り組んでいますが、10ウン年前にはあまりクローズアップされたなかったピクトグラム(図解)もメジャーになってきました。
 この写真は、毎年訪れるタイの空港にある優先座席。ピクトグラムは大人でも子どもでも世界中誰もが「見ればわかる」という印。かつてはトイレ表示だけ(^_^;)でしたが、種類も増えました。
 さて、この優先座席の左端のピクトグラム。私は長年「ケガをした人」だと思い込んでいました。全体包帯でぐるぐるとは大げさな(^_^;)と。日本では腕や足に包帯の図がありますね。そしたら昨年ある方が教えてくれました。これはお坊さんなのだそうです。納得!東南アジアのお坊さんは、オレンジ色の布(袈裟)を肩にかけて巻いています。タイではお坊さんはとても敬われる貴い存在です。女性は触れてはいけない。なので優先なのですね。これは文化ピクトグラムといいましょうか、異文化人には見ただけではわかりづらい(^_^;)。
 話は戻り、福祉住環境はこの10数年でかなり整えられてきました。高齢者はもちろん視聴覚障害者の方や妊婦さん、また外見だけではわからない障害者の方に、利用しやすい環境。しかし、最初は遠慮していた健常者もだんだん「使えるものは使え」的に、自分に優先に使う人を散見するようになりました。何のためにあるのか?を普通の風景から認知することが大切です。

関係者は入念な準備を

920 今日は本当は神戸でセミナーだったのですが、台風で中止に。主催者の方は朝まで「やります!」と頑張っておられたのですが(^_^;)、さすがに避難勧告が発令されると無理もあり、私も電車に乗って向かっていたのですが引き返しました。
 この写真は昨日開催された世界アルツハイマーデー記念フォーラム開始前です。800人の会場は9割以上が埋まる関心の高さ。十数年前から認知症の臨床医でいろいろ教えて頂いた先生のお話を楽しみに行ったのですが、ほぼパネルディスカッションでちょっと残念でした。最後に若年性認知症の当事者の方が登壇。ユーモアのあるお話でとてもほのぼのだったのですが、問題は司会者の2人がこの舞台の両脇にそれぞれ座り、両方から質問を投げかける。さすがに先生が気付いて「その質問の仕方はご本人に非常につらい、混乱を与える」と指摘されました。おそらく会場の参加者も介護や仕事で関わっている方は気付いたと思います。フォーラムのテーマがテーマだけに、舞台上の構成時に気付いてほしかったですね。主催側の関係者はほとんどが認知症に関するお仕事の方々でしょうから…。
 私もさまざまなセミナー会場に仕事で呼んでいただくと、会場や進行上の気配りの差はかなりあると感じます。来場者(特に高齢者)に配慮した会場配置、リスク対策を事前にシミュレーションして対応しているところもあれば、びっくりするほど準備がされていない会場も…。
 今年から障害者差別解消法も施行されています。そういえば、先週の横浜セミナー会場で盲導犬を連れた方がいらっしゃいました。3時間近いセミナー時間、ワンちゃんはずっとおとなしく横で伏せしていた姿に感銘を受けました。人間よりずっとわかっているのかも(^_^)。

女性高齢化率30%超

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 今日は敬老の日。各地でイベントも目白押しかと思います。総務省の推計によると、65歳以上の高齢化率は27.3%で過去最高を更新。もちろんこれからまだまだ伸びるわけですが、女性高齢者率が30.1%と初めて30%を超えたとのこと。ほぼ3人に1人になってきたんですね(^_^;)。
 男女別で考えると、今後も女性の高齢化率は早く伸びていくわけで、リーチがかかりそうな私もドキドキです(笑)。日本人はまじめだなーと思うのは、高齢者の就業者率も高く、世界でもトップクラスのようです。働きたいという人も多いでしょうけど、仕方なく、、、という人も少なくないかと。
 私なんかはいかにラクな老後を送れるか?に関心高いですが(^_^;)。今日はこれからアルツハイマーデー記念フォーラムに行ってきます。

住まい選びは「個性」

916 今まで国内外さまざまな高齢者の住まいをたくさん見てきましたが、ハンコで押したような同じ建物や中身もあれば(^_^;)、個性豊かな形状や内装、ほんとにバラエティに富んでいると思います。
 先般、
自立型の有料老人ホームにご入居されている方々から興味深いお話をお聞きする機会がありました。「このホームに決めたきっかけ」について。ある方は、現役時代のお仕事が建築士。建物のすばらしさに惚れ込んだとのこと。思いが表れた建築物だと絶賛されていました。そういう視点もあるのですね。周辺環境をあげる方も多いですが、好みがわかれるようです。静かで緑豊かな環境を好む方、都心の利便性の良い場所を好む方、こればかりは個人差が大きいですね。さらに入居されている方の様子を見て、自分に合うかどうか検討される方。最優先する条件は、人それぞれです。「入居者の様子が自分に合うかどうか」は、ハイクラス過ぎてもその逆でも自分はしんどくなる、同じような人が多い環境がいいのでは、という意見には、「まさしく」と感じます。
 数だけはたくさん見てきたと自負する私が、もし将来老人ホームを選ぶとしたら、何を基準にするか(^_^;)。今と将来ではきっと考え方は変わると思いますけど。