在宅推進に不安

3f1cf3a1b68da59c1441cd5c5d2f71c1_s 医療も介護も高齢期は「在宅」を推進しています。地域包括ケアシステムという立派な仕組みも国は考えてくださいました(^_^;)。構想は大変素晴らしいですが、実態はどうかというと、もう現場からは悲鳴の嵐ですよね。住民も医療関係者も介護関係者も。なんだか変です。
 今日は在宅医療についてちょっと考えてみます。確かに日本の入院期間は海外のそれに比べると著しく長いです。そこは是正の必要性もあると思うのですが、高齢者が増えてベッドが足りないしお金もないから家でね、と言われても、長年「何かあればすぐ病院へ」と洗脳されてきた日本国民はそう簡単にはいきません(^_^;)。そもそもその在宅医療受け入れ態勢がかなりの未整備。厚労省のデータによると、看取りを実施している診療所は4.7%、病院は5.6%だそう。ではクリニックや医院の先生が対応されているかというと、そこもまだまだ。私の敬愛する在宅医の長尾先生もいつも嘆いておられます。いざとなると、医師も病院へ救急で搬送してしまう。看取りじゃないですよね…。
 あわせて、法制度の問題もあります。お医者さんは訴えられたくない。昨今の医療訴訟では「そこまでするか?」という家族側の問題もあります。高齢期、嚥下障害でもし亡くなったとしても、誰かの責任にしてしまう。介護もなのですが、受け皿の問題とあわせて本人・家族の教育も大切と感じます。日本はサービスが行き届きすぎて、専門家お任せ状態になりすぎました。もっと医療・介護リテラシーを国民レベルで持つようにしたいものです。

続・高齢者住宅の日本文化

816 先日お伺いした大阪の有料老人ホームの居室です。右側の障子の向こうはベランダがありますが、この部分は和モードでカーテンでなく障子です。しかもこの障子、ホンモノ(^o^)です。
 我がマンションの和室もこのような感じですが、本来和紙の部分は和紙風のプラスチック板。確かに破れないし劣化しないし掃除しやすいのですが、なんだかな~(^_^;)。なんだか懐かしくて、ついつい紙面をスリスリしてしまいました(*‘∀‘)。考えてみると日本の家屋ってすごく工夫と美のたまものですね。障子は外の光をうまく取り入れながら、プライバシーは遮断できます。この施設ではトイレや洗面は最新の洋式ですが、お部屋の随所に和をモチーフにした作りが施されていて、なんだかほっとしました。
 最近は老人ホームも完全洋式化がほとんどです。私なんかは和室も1つはほしいタイプなので、寂しく思っていました。ときどき和室ありのホームに出会うと嬉しくなります。個人の好みもありますが、画一的なホームの部屋じゃなくてもう少しカスタマイズして提供してもらえるといいですね。そうそう、障子に穴を空けると花びらに切った紙で貼りつけましたね。そういうのもまた趣が(^_^)。

引き戸は日本文化?

815 高齢者の住まいのドアを集めてみました(^_^;)。
 上の2つはスウェーデンの介護施設、左下はデンマークの介護と自立の中間ぐらいの施設、右下は日本の介護型施設です。今までいろんな国の高齢者施設を見てきましたが、福祉やバリアフリーの進んだ北欧でさえドアは開き戸です。唯一3年前のデンマークの新しい介護度の重い人用の施設で引き戸を見ました。
 昨日書いた建築士の方の本を読んでいても、かつて勉強した福祉住環境の資格でも、「開き戸」は高齢期特に片麻痺などがあると、身体を回転させないと出入りが難しくなるので高齢期は「引き戸」が望ましい。まだ若くて元気な間は、全く問題ない開き戸でもいったん身体に不自由が出ると面倒です。車いすに乗っているもしくは松葉づえをついていると想定してトイレに出入りするのを想像してみるとわかると思います。しかし、引き戸はほぼ日本だけです。
 思えば、引き戸は日本文化といいますか、西洋化するまで家々は引き戸でした。玄関も部屋の区切りも。我が実家の玄関はいまだに引き戸ですし、部屋と部屋の境はふすまや障子が多いです。一方で、外国は開き戸文化。身体機能に対してよりも、「家」と捉えたときに重要視するのは文化かもしれませんね。というようなことを考えながら、本を読みながら勉強しています(^_^;)。

住む=自分の居場所

814 しばらくぶりのブログとなりました(^_^;)。ここ数日大学での勉強と試験にどっぶりでかなり記憶力の退化した脳に鞭打ち、勉強・勉強の日々でした。写真は大学校舎の屋上庭園で、今は暑いですがさわやかです。大文字も見えます(^_^)。
 30年ぶり(笑)に大学に通ってみると、バリアフリーが進んだなぁと感じます。今の大学は最初の大学とは全然別の学校ですが、おそらく後から整備したのだろうなと思われるバリアフリーも多いです。今年の4月から障害者差別解消法も施行されていますので、ますます「誰もが」使いやすい設備や権利が大切になっていきますね。世間はお盆ですが今日も学校に行って、書籍を買ったり図書館で借りたりしてきました。卒論の準備のために(^_^;)、文献をたくさん読まねばならないのですが、もちろんテーマは高齢者住宅にするつもりです。
 今日借りた本は、ある女性建築家の方が書かれたもので、帰りのバス内で読み始め、かなり興味深い内容です。高齢者のことや社会の問題をすごく勉強されている。「住むということは自分の居場所をつくることである」というくだりがあり、なるほどと思いました。ちょっと難しい話では、哲学者のハイデッガーは「住まうことは(中略)実存の基本原理である」と述べています。私は出張が多い方なので、ホテルをよく利用しますし、長いと1週間ぐらいホテル暮らしのときもあります。しかしそれは、「暮らし」なのかというと違います。掃除もしなくていいし(^_^;)ラクなホテルですが、そこは自分の居場所じゃない。そういう点で考えると、老人ホームも高齢者住宅も「居場所」と思える暮らしが提供できているか、がキーになりますね。「入所」という言い方をする方がいまだにいますが、これは「住む」ことではない。言葉一つのことですが、社会福祉学を勉強していると、言葉一つがいかに重要なのかを実感しています。勉強はまだまだ続きます(^_^;)~

介護と人権

810 トイレの写真で恐縮です(^_^;)。先日専門紙を読んでいてちょっとビックリする内容がありました。
 介護は合理化できないものであるというテーマで、たとえば「1日3回の食事を1回にしてしまう」や「トイレを1日1回にする」など。ところが、このトイレに関しては、トイレ介助が必要な要介護者の排便を貯めておいて、数日に一度浣腸でまとめて行うところもあるというのです。これは今まで聞いたことがなかったので、さすがの私もびっくりぽんでした。
 タイトルにした『介護と人権』ですが、線引きが非常に難しいといつも思います。今大学で社会福祉学を勉強しているのでなおさらいちいち気になります(^_^;)。介護施設では、エレベーター操作を簡単にできない(暗証キー)、また居室の窓は一定以上には開けられないようにしたり、施設の出入り口も中からは出られないなど、一見安全対策のようで厳密には拘束です。自由を奪う拘束は人権侵害になる。国としては拘束=高齢者虐待という認識。しかし杓子定規にしていては逆に安全性が欠如したり、言い訳にならないですが人員不足などが生じてしまいます。これをどう考えるか…。過去何度かいろんなところでも書いたのですが、以前訪れたタイの国営老人ホームでは、敷地内の門も施設も24時間開けっ放しなのに、徘徊して戻ってこれない人はいないそうです。40人に対し職員は1人2交代。でも、大きなトラブルも起きていない(入居者が他の入居者を援助する)。一概にどちらがいいという問題ではないのですが、自由(人権)と拘束(安全)ってトレードオフなんでしょうかね…┐(´д`)┌

高齢者の住まいの名称

809 昨日は大阪の有料老人ホームとサ高住の見学に行ってきました。ホーム業界の懇意にしている方々と一緒で和気あいあいな見学会でした(^_^)。写真は、2つ目の見学先の屋上から見える風景。大阪市内でも都心エリアなので高層ビルが多いです。どこもそうですが団地群のあるエリアは高齢化率も高く、入居者も周辺の30年前前後に移り住んだ団地の方が多いとか。

 それにしても、高齢者の住まいの分類はますます複雑化です。私の仕事にも直結するので(^_^;)、本当に困ったもの。有料老人ホームの3類型、サ高住、シニアマンション(単なるマンション)、介護保険3施設、認知症グループホーム、ケアハウス、シルバーハウジング…、まだまだあります。さらに、特定施設入居者生活介護のトッピング(-_-;)。まだまだ!有老協では加盟ホームに「グランドホーム」という名称を、先般特定協では特定施設を「介護付きホーム」という名称を。もっとびっくりしたのは、先日某専門紙の広告で、ある住宅型有料老人ホームを運営する企業が自社ブランドに「民間版特養」と商標登録したと。これって問題では? 
 良い悪いも含めて、各自が「わかりやすさ」や「イメージの良さ」を訴求したいのはわかりますが、迷惑なのは混乱が深まる一般消費者です。もちろん行政の後から付け足し・修正するのも問題。いったい高齢者の住まいの分類はどこまでいくんでしょうか┐(´д`)┌…

男性の独居と孤独死

H27sei_nenrei_graph この週末は猛暑((+_+))!がぴったりでした。外に出ると暑いというより痛い! 

 さて、このグラフは東京都監察医務院による平成27年の自宅での異常致死(ようするに変死/23区内)のデータからです。平成27年、自宅で変死した高齢者(65歳以上)数は、5,321人。うち単身世帯(孤独死)が3,116人と過去最多になっています。しかし、家族のいる世帯で2000人以上が変死というのもなんだか寒さを感じます…。さらに、死後経過日数別では、2~3日が最も多く、次いで0~1日、非常に少ないながらも1年以上もあります。なぜか1年以上経過後の発見に同居者がいる場合も!これは事件性のものでしょうか… 
 孤独死は、男性が圧倒的に多いです。しかしこのグラフにあるように、80歳を超えると男女逆転。高齢になればなるほど、それまで懇意にしていた仲良しが先に旅立ったリ、息子娘世代が先に他界したりと、孤独率がさらに高まるからかもしれません。友人関係、地域の関係、孤立死ではなく『孤立生』から課題を考えないといけませんね。

お風呂に入る歳のお湯の状態

805 和歌山の有料老人ホームで、入浴事故があり97歳の女性が死亡したとのこと。記事によると、その施設では入浴前に職員が手をつけて温度を確認することになっているそうですが、担当職員は「肌が弱いので手袋をしていた」ということです。しかしこれ結構疑問ありです。まず施設の言い分では、通常42度の設定(事故時は48度)と言いますが、高齢者の入浴に42度設定は普通しません。入浴の適温は38~42度と言われますが、中高年になると40度以上は危険です。血液は高温になるほど固まるのは小学校の理科で習いましたよね。なのでまず前提の設定温度が疑問。そして、手袋をしていたのでの理由。いくら肌が弱くても温度を確認するのに手袋はないです。そして手袋をしていても48度なら通常より熱いのはわかるはず。かなり苦しい言い訳です。ただ、この入浴温度による事故は、今回のようにニュースにならなくても水面下では過去たびたび聞いてきた過失です。いくら現場で余裕がないといっても、これはないと思います。お家でお風呂に入るとき、いくら設定温度を○度にして給湯しても、浴槽に入る前自分の手で確かめますよね。施設の「普通」が家庭の普通と異なることはダメです。管理者や経営者は、現場のミスではなく、自分自身の問題と捉えてほしいです。

今ほしいもの「お金」!

804 7月~8月は大学の講義が続くので今日も平日ですが終日(420分!)学校に行っていました(^_^;)。それにしても垂涎モノは大学の図書館。社会福祉学に強い大学なので文献が充実しています。お昼休みにちょっと寄ってみて、あれもこれも…と借りたくなるのですが、今は本を読む余裕がなくてあと少し先になりそうです…。昔の学生時代の貴重な夏休み、もっと勉強したらよかった(^_^;)…。

 新聞でシルバー世代のお小遣い、30年前より少なくなったという記事がありました。なんと、本来なら30年もたてば自然なインフレで上がるはずなのに、いかに過去の定説通りにならない世の中かと思います。30年前といえば金利がいっぱいついて(笑)退職金の利息だけで十分なお小遣いの時代でしたからね。ちなみに2016年のシルバー世代1ヶ月のお小遣いは2万6820円だそうです。多い?少ない? 調査では「今一番ほしいものは?」に40.6%が「お金!」ということで「幸せ」の15.7%を大きく上回ったとのこと。幸せよりお金ですか…(^_^;)

国策はホントに国民のため?

803 朝刊で気になった記事。「住民税の減収5.4倍」って?!とびっくりしましたが(^_^;)、ふるさと納税がとても画期的のようです。特に、東京など大都市圏の人々が、おそらく出身地や応援したい市町村、旅行で訪れる先、復興を願いたい先などに寄付を行っているケースが多いのでしょう。大都市に集中しがちな税収を地方に再分配できる良いシステムな気がします。よく考えれば税金は自動的に取られて(-_-;)しまうけど、使い道は自分たちのどうにもできません。そういう点で少しでも選べるのは楽しい気持ちになれますね。

 もうひとつは懸念の声も高い28兆円経済対策。いろんな考え方があるでしょうけど、個人的にはどうかな~という感想です。経済対策って本当に国民全員のためになるんでしょうか?一部はあるにしても、ほとんどが企業体の収益を押し上げるためだけでは。よく企業が儲かれば結果的に労働者の給与も上がると言われますが、かなり限定された対象者だけだと感じます。それよりも格差が広がる現状はどう説明するのでしょうか。新幹線を8年前倒し(できるかどうか不明らしい)に3兆円も国が融資するなら、もっと介護の現場が働きやすく、そして離職者ゼロを実現するために、回せることがたくさんあるのでは。