先般興味深い資料を読みました。高齢者が入院した後の退院先を調べたデータです。かいつまんでご紹介すると…。
退院時、同居する人がいる場合といない場合では、倍くらいの差で同居人がいる場合自宅に戻っている。これは想定できますね。その同居人の中で主な介護者が誰かで調べると「配偶者」が圧倒的に多いそう。さらに資金的にはどうか。毎月15万円以上負担できる、10~15万円、10万円以下と3区分にしてみると、15万円以上の人が退院後は元の住まいではなく違う施設に行っている。その半数は有料老人ホームだとのこと。10~15万円の層はサ高住が多く、10万円以下のほとんどは自宅に戻っているものの違う先であれば特養と、これも想定できるというか、お金の有無がかなり左右しているのがわかります。
ところが、ここでさらに詳しく調べると、15万円以上の余裕資金者でも配偶者のいる人は自宅に戻る割合が高くなるとのことで、高齢期は配偶者の有無がキーとなるようです。また、介護度についてはどうか、入院前に要介護4や5など重度の人は退院後自宅に戻るケースが多く、入院前軽度で退院時に低下している場合は家に戻らず違う施設へという傾向があるとか。これは、もともともっていた介護力(環境整備)や気構えの違いなんでしょうね。興味深いです。そして、入院前から認知症の場合は、退院時自宅に戻らないほうが若干多くなる。入院中、認知症介護から解放された家族の再受け入れに負担が大きくなっているのかも、とのことです。全体の傾向と判断するのは難しいですが、なるほどな~と思います。
しかし、今後高齢者の独居が増えてくる中、どうしていくかはホントに課題ですね。