住宅政策の根っこ

「マイホームの彼方に」(2020)平山洋介、筑摩書房

神戸大学の平山先生が今年出された本で、非常に興味深いものでした。学術書なので一般の方にはおもしろくないと思いますが(^_^;)、「住宅政策」に的を絞り緻密な記録を辿り分析しています。大学院時代の論文で住宅史は一通り調べたつもりでしたが、知らないことも多々あり、なるほど、こうやって日本は他先進国にはない独自の(そしてまやかしの)住宅政策が繰り返されきたのだ、と。それにしてもこの画像の部分ですが、今こんなこと官僚が言うと大問題になる、ビックリでした。この前段階の話もかなり衝撃なのですが、戦後、厚労省の福祉的住宅の考えと建設省の市場(経営的)住宅の考えはある意味縄張り争い的な部分があったのですが、「建設省が考える公営住宅は最低辺の階層は相手にしない」「貧乏人は切り捨てる」「お荷物になるひとだけを優遇していたら、日本国家の再建はできない」と述べています(途中端折ってます)。この流れって結局今に至るまで変わっていない。だから「サ高住」推進なんですね。わかってはいたけど、欧州の住宅人権の考え方と日本の自己努力主義の隔たりにあらためてため息です。